巨人・坂本勇人

 今シーズンの記録達成が予想されるのが、巨人・坂本勇人の2000安打だ。2020年7月1日時点で1895安打を放っており、残りは105本。順調ならば達成は間違いないだろう。巨人では2017年の阿部慎之助に続く「生え抜き」の2000安打達成となるが、同じような「生え抜きでの2000安打達成者」は過去何人いるのだろうか?

強打者の多いあのチームは意外にも……


 これまでに2000安打を達成した選手は全部で52人。このうち29人が生え抜きでの達成者だ。移籍を経ての達成も少なくないが、「最初に入ったチーム一筋」で活躍し、大記録達成となるケースは多いようだ。

 では「生え抜き2000安打達成者」はどのチームが多いのだろうか? 達成者を球団ごとにまとめてみた。
※前身球団を含む
※他チーム移籍後に再び元チームに戻っての達成は除く


巨人・王貞治(左)、長嶋茂雄

●巨人……5人
川上哲治(1956年達成)
長嶋茂雄(1971年達成)
王貞治(1974年達成)
柴田勲(1980年達成)
阿部慎之助(2017年達成)

●広島……4人
衣笠祥雄(1983年達成)
山本浩二(1984年達成)
野村謙二郎(2005年達成)
前田智徳(2007年達成)

●中日……4人
高木守道(1978年達成)
谷沢健一(1985年達成)
立浪和義(2003年達成)
荒木雅博(2017年達成)

●ヤクルト……3人
若松勉(1985年達成)
古田敦也(2005年達成)
宮本慎也(2012年達成)


南海・野村克也

●ソフトバンク……3人
野村克也(1970年達成)
広瀬叔功(1972年達成)
門田博光(1987年達成)

●ロッテ……3人
榎本喜八(1968年達成)
有藤通世(1985年達成)
福浦和也(2018年達成)

●阪神……2人
藤田平(1983年達成)
鳥谷敬(2017年達成)

●DeNA……2人
松原誠(1980年達成)
石井琢朗(2006年達成)

●日本ハム……2人
張本勲(1972年達成)
田中幸雄(2007年達成)

●オリックス……1人
福本豊(1983年達成)

●西武、楽天……達成者なし

「生え抜き2000安打達成者」が最も多いのは巨人。史上初の達成者である川上哲治や長嶋茂雄、王貞治など球史に名を残すレジェンドが名を連ねている。今シーズン、坂本がここに並ぶことができるか注目したい。巨人に次いで多いのが広島と中日。こちらもそうそうたるメンツが並んでいる。

 意外なのがソフトバンク。野村克也など達成者3人はすべて南海時代に在籍した選手で、1987年の門田博光以降は達成者が出ていない。ダイエー、ソフトバンク時代には松中信彦など球史に残る強打者が在籍したが、いずれも2000安打には届かなかった。


西武・栗山巧

 ソフトバンクよりもさらに意外なのが西武だ。なんと「生え抜き2000安打達成者」は0人。秋山幸二や清原和博、和田一浩、松井稼頭央と、他チーム移籍後に達成した選手はいるが、西武在籍時に達成した選手はまだ出ていない。過去最も2000安打に迫ったのが石毛宏典で、西武時代に1806安打を記録したが、1994年オフにFA移籍した(結局移籍先のダイエーでも達成できず)。

 1950年から歴史を紡いでいるチームの中で唯一「2000安打達成者」が出ていない西武だが、初の達成者になりそうなのがプロ19年目の栗山巧だ。昨年8月に通算1807安打目を放ち、チーム歴代最多安打を更新。2020年7月1日時点で1835安打と、2000安打まで残り165安打まで迫っている。今シーズンは試合数が少ないため達成は難しいかもしれないが、大きなケガさえなければ西武初の「生え抜き2000安打達成者」となるだろう。

 各チームの「生え抜き2000安打達成者」をまとめてみた。ソフトバンクが南海時代から出てないことや、強打者の多い西武がまさかの0人というのには驚いた人も多いのではないだろうか。それだけに、「球団初」となるかもしれない栗山には大きな期待がかかる。今シーズンは達成の可能性が高い坂本だけでなく、「球団初」となるかもしれない栗山の活躍にも期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM