ソフトバンク・柳田悠岐

 今年は本来ならクリーンアップを務める強打者を二番に据えているチームが多い。昨年は巨人の坂本勇人が二番に抜擢され、打率.312、40本塁打、94打点とリーグMVPに輝く活躍で5年ぶりのリーグ優勝に貢献。二番は打席が回ってくる回数も多く、強打者を置くことで初回から強攻策で大量得点に結びつけられるなど得点力アップにメリットが大きい。

 開幕10試合までに各球団で二番に起用された選手を調べると、DeNAが2年連続本塁打王のソト、ヤクルトが前人未到の3度のトリプルスリーを達成した山田哲人、ロッテは2度の首位打者を獲得した角中勝也、楽天は昨季33本塁打のブラッシュを2試合、オリックスはマイナー通算174本塁打の新外国人・ロドリゲスを5試合で起用している。さらに、ソフトバンクも球界屈指の強打者・柳田悠岐を6月27日の西武戦(メットライフドーム)から二番に抜擢。2試合連続アーチと期待に応えた。

 長距離砲を二番に置く手法はメジャー・リーグでヤンキースのアーロン・ジャッジ、エンゼルスのマイク・トラウトら強打者が起用されたことで注目され、近年のトレンドになっているが、日本のプロ野球でも、過去に二番に強打者を置いた歴史はあった。1950年代に黄金時代を築いた西鉄は三原脩監督が通算263本塁打の強打者・豊田泰光を起用。二番打者の役割として、犠打など小技を重視された当時としては異質だった。また、「バントをしない二番打者」として日本ハムでプレーした小笠原道大も話題になった。1999年には二番で打率.285、25本塁打、83打点をマーク。ビッグバン打線の核弾頭として活躍した。

 ただ、二番に長距離砲を起用しなくても強力打線は作れる。西武は俊足と小技に定評がある源田壮亮が新人から二番で固定されている。18年に叩き出したチーム総得点は球団新記録の792得点。19年もリーグトップの756得点を挙げた。クリーンアップ以降に森友哉、山川穂高、中村剛也、外崎修汰ら強打者がそろっているが、「山賊打線」のチャンスメーク役として二番の源田は欠かせない存在だ。また、広島の菊池涼介も不動の二番で17〜19年のリーグ3連覇に大きく貢献した。状況に応じた打撃に加え、パンチ力もある。二番打者が機能するかはペナントレースの行方を占う上で大きなカギを握りそうだ。

写真=BBM