3P連発でMVP受賞、プロキャリアで初となる称号を手にした大塚裕土「子供たちに夢を見せられた」

3P連発でMVP受賞、プロキャリアで初となる称号を手にした大塚裕土「子供たちに夢を見せられた」

「B.LEAGUE ALLSTAR GAME 2019」でMVPを獲得したのは、開催地である富山で活躍を見せている大塚裕土(富山グラウジーズ)であった。北海道名寄市出身、東海大学第四高校(現東海大学付属札幌高校)から東海大学とエリート街道を歩み、大学卒業後はTGI D-RISEや秋田ノーザンハピネッツ、サンロッカーズ渋谷などでシューターとして活躍してきた。だが、個人としての大きな称号を得るプロキャリアではなかった。それでも華麗な3ポイントシュートでファン・ブースターの心をつかみ、人々に愛されるプレーヤーであるというのは過言ではない。

 そんな彼がオールスターゲームで輝きを見せた。前半はシュートの感覚をつかめずに苦労したが、後半のスタートで宇都直輝、水戸健史と一緒に“富山グラウジーズ三人衆”でコートに立つと、B.WHITEを率いた大野篤史ヘッドコーチが大塚にシュートを打たせるフォーメーションをアレンジ。指揮官の粋な計らいに彼はしっかりと応え、そこから4連続で3ポイントを沈めるなど、最終的には計24得点を獲得し、コート上での主役になった。そのインプレッションが全国のファン・ブースターにも届き、圧倒的な得票率でMVPに輝いたのである。

「本当に素晴らしい1日になりましたね、今でも少し気持ちの高揚感がすごくてフワフワしているんですけど、もう絶対に忘れないと思います。自分がこの世を去る時に必ず今日のこのシーンが出てくると思います。それくらい最高の思い出になりましたね」と、MVPを獲得した感想を独特な表現で語ってくれた。

 オールスターゲームMVPというプロキャリアでの大きな称号を手にした大塚は、「夢」という言葉を使ってこう続けた。「このゲームをアリーナではなく、色々なメディア等で観て頂いている方がいらっしゃると思います。Bリーグオールスターといえば代表選手だったりとかが集まる場所だったりすると思うんですよね。その中で唯一代表経験のない僕がスターティングファイブで出て、まさかMVPを獲得するとは僕自身も含めて思っていなかったかなと。そういう意味で今回のMVPは、今からバスケットのプロ選手を目指す子供たちに夢を見せてあげられたんじゃないかなと思います」。MVPを演出した大野HCには試合終了後に一目散に駆け寄り、「ありがとうございました」とお礼を言いに行ったという大塚は、本当に謙虚で真面目で真っ直ぐなプレーヤーなのである。

 来シーズンのオールスターゲームは彼の地元である北海道での開催。今度は地元で勇姿を見せるチャンスがあり、2年連続でのMVP獲得という夢のようなストーリーも期待してしまう。「まず出場できるようにしたいです、連続で出場できるというのはキャリアとしても大きなことなので。北海道の皆さんにもぜひ今から投票の準備をして頂いて、僕のことを後押ししていただければと思っています」と笑顔でアピールしてくれた。

 そんな彼にも、今回のオールスター出場選手たちに聞いている『憧れの選手』をうかがってみた。

「今回はコートには立っていませんでしたが、中学生の時から僕の中で折茂武彦選手(レバンガ北海道)みたいなプレーヤーになると目標を掲げてプレーしていた時期もありました。そんな彼がまだ現役を続けられていて、一緒にコートで戦えるとか今日もイベントで東京と富山で共演できたりと、同じポジションですし感慨深いものがありますね」

 来シーズン、地元で行われる夢の舞台で自身の勇姿を見せることができるのか。彼の華麗なシュート、人を魅了させるシュートを再び見せてもらいたいと感じさせてくれたインタビューだった。

文=鳴神富一


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