◆「我々は非常に優れた、とても鍛えられたバスケットボールチームです」と発言

 1988−89シーズンからNBAに参入したマイアミ・ヒートは、今季で創設32シーズン目。そのうちプレーオフには20回出場しており、2006、12、13年と、通算3度の優勝を手にしてきた。

 95年にバスケットボール運営部門代表兼ヘッドコーチ(HC)としてヒートにやって来たパット・ライリーは、3度の優勝に大きく貢献。フロントとして活躍を続ける75歳の球団社長は、主力選手たちがケガに見舞われて戦力ダウンしようとも、タンキング(意図的に負けてドラフト上位指名権を狙うこと)することなく、毎シーズン、現有戦力で勝利すべく奮闘している。

 4月30日(現地時間29日、日付は以下同)。ヒートの公式ツイッターに、ライリーのメッセージ付き動画が公開された。

「私はチャンピオンチームを作り上げたい。そんなに辛抱強くはないんだ。私はまた新たなチャンピオンシップチームを作り上げたいんだ。我々は(その位置まで)近づいている」。

 ライリーがそう話したように、ヒートは昨季よりも確実に戦力アップしている。昨季プレーオフ進出を逃したヒートは、昨夏の大型トレードでジミー・バトラーとマイヤーズ・レナードをロースターに加え、ドラフトではタイラー・ヒーローを指名し、ドラフト外でケンドリック・ナンと契約、さらには大ベテランのユドニス・ハズレムとも再契約。

 3年目のバム・アデバヨ、2年目のダンカン・ロビンソンの急成長もあり、バトラーを中心とした布陣で好スタートを切ると、今季途中にはトレードで経験豊富なアンドレ・イグダーラにジェイ・クラウダー、ソロモン・ヒルを獲得してさらなる戦力増強に成功。

 シーズン中断時点でイースタン・カンファレンス4位の41勝24敗という好成績を残しており、イーストを勝ち上がってNBAファイナルへ進出する可能性も決してゼロではないチームと言っていい。ライリーはエリック・スポールストラHCの仕事ぶりを称賛しつつ、今季についてこう評している。

「我々はタイラー・ヒーローとケンドリック・ナン、あるいはダンカン・ロビンソンがこれほどすばらしいとは分かっていなかった。それにこのチームにはゴラン(ドラギッチ)とジミー・バトラーがおり、バム・アデバヨ、マイヤーズ・レナード、ケリー・オリニクもいる。我々は非常に優れた、とても鍛えられたバスケットボールチームです」。

 フランチャイズ史上4度目の優勝に向けて、「我々には新たな選手が必要かどうか、私には分からないが……正しい位置にいる。このチームはタイトルコンテンダーなんだ」とライリーが語っているため、現有戦力に自信を持っていることは間違いない。

 ただし、もしこのまま今季終了となれば、フリーエージェント(FA)戦線が待ち受けている。ドラギッチ、クラウダー、ヒル、レナード、ハズレムにデリック・ジョーンズJr.が制限なしFA、オリニクがプレーヤーオプションとなる。ナンとロビンソンは来季の契約がチームオプションのため、確実にロースターへ残すだろうが、FAの選手たち全員と再契約を結ぶことはさすがに厳しいだろう。

 そのため、来季に向けてロースターをマイナーチェンジする可能性はある。だがライリーならば、ヒートを優勝へと導くべく、より強力なロースターを作り上げると期待したい。