◆ウォリアーズを3年でリーグ屈指のディフェンシブチームへと引き上げた功労者

 現役時代に17シーズンをプレーし、NBA歴代4位の通算1万334 アシストを配球したマーク・ジャクソン(元インディアナ・ペイサーズほか)は、2011年6月にゴールデンステイト・ウォリアーズのヘッドコーチ(HC)へと就任した。

 ロックアウトのため66試合の短縮となった11−12シーズン。ウォリアーズはウェスタン・カンファレンス13位の23勝43敗に終わるも、ステフィン・カリーが足首のケガから復活した12−13シーズンにはウェスト6位の47勝35敗を記録し、07年以来初のプレーオフ進出を果たす。

 翌13−14シーズンには93−94シーズン以来初となるシーズン50勝(51勝31敗)をクリア。守護神アンドリュー・ボーガット(現無所属)がケガのため全休となり、第6シードで出場したプレーオフ1回戦で、ロサンゼルス・クリッパーズの前に最終戦で敗れたものの、カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの周囲にボーガット、ハリソン・バーンズ(現サクラメント・キングス)、デイビッド・リー(元ウォリアーズほか)、アンドレ・イグダーラ(現マイアミ・ヒート)といった有能な選手を擁する好チームだった。

 ところが、プレーオフ敗退後、ジャクソンHCは解雇され、現在も指揮官を務めるスティーブ・カーHCが就任。そこからウォリアーズは5シーズン連続でファイナル進出を果たし、チャンピオンシップを3度も制した。

 ジャクソン前HCはオーナーやボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネジャー)と良好な関係を構築できなかったことが解雇の要因として報じられた。その後ジャクソンは『NBA on ABC』でアナリストを務めるなど、NBAに関わる仕事をこなし続けている。

 複数の現地メディアによると、ジャクソンはニューヨーク・ニックス、ブルックリン・ネッツといった指揮官不在のチームの後任HC候補に挙がっている中、5月6日(現地時間5日)にYouTubeへ公開された『ESPN』の“First Take”へ出演。ウォリアーズを指揮した3シーズンにおける自身の功績についてこう話していた。

「私があのチームで仕事を終えた時点で、我々(ウォリアーズ)はディフェンスでリーグトップ5、オフェンスでもトップ10(実際は12位)に入るチームだったのは事実。ステフ・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンは認めてくれるだろうが、彼らは私が引き受けた時、まだチームとして結束していなかったんだ」。

 ジャクソンはウォリアーズを率いた3シーズンで、攻防両面においてリーグ下位から中位、そして上位のチームへと引き上げていった。特にディフェンス面の向上は顕著で、ディフェンシブ・レーティング(100回のポゼッションにおける失点)は最初のシーズンから順に26位(107.3)、12位(104.2)、3位(101.4)と急上昇。

 12年のドラフト2巡目全体35位で指名されたグリーンの能力を引き出し、ボーガットやイグダーラといったディフェンス面に定評のある選手たちを積極的に起用し、ジャクソンはリーグ有数のディフェンス力を有するチームを作り上げた。

 2010年代で最高の実績を残したウォリアーズの基盤を構築する手助けをしたジャクソンに、再びNBAのチームを指揮する機会が訪れることは十分あるのではないだろうか。