2日、埼玉県・アイスリボン道場にて『アイスリボン1038』の無観客試合が行われ、星ハム子がIW19王者決定トーナメントの準決勝に進出した。

 IW19王座とは、2010年にアイスリボンの姉妹団体として誕生した『19時女子プロレス』のベルト。当時はUSTREAM配信での無観客興行を中心に、クラウドファンディングもまだ主流でなかった時代に個人協賛を集めて王座戦を行うなど画期的な試みを数多く行っていた。
 東日本大震災後に初王座戦が行われると、被災地出身選手を中心にしたトーナメントだったこともあり、アイスリボンが行っていた復興支援の『被災地キャラバン』でも地元出身の王者がベルトを掲げ被災地に勇気を与えていた。

 しかし当時は「無観客はプロレスではない」・「配信で王座戦を行うなんてお客さんに失礼」という批判も多く、女子プロレス団体JWP(現:PURE-J)も反発。徐々にお客さんを入れての公開放送形式に移行したが、2013年6月に団体は活動休止に。IW19王座も第10代王者として君臨していた藤本つかさが封印した。
 あれから約7年が経過し、現在は新型コロナウイルスの影響で各団体が興行を中止しYoutubeなどでの無観客配信が中心に。アイスリボンもニコニコ生放送やYoutubeで配信を行っており、時代が追いついたこともあって王座復活のトーナメント戦が先月25日から開催。
 19時女子経験者であるAブロック6人、未経験者のBブロック6人による12人でのトーナメント戦となり、準決勝は勝ち残り3WAY戦に。ルールは19分1本勝負で引き分けの場合はニコニコ生放送での視聴者投票にて勝者が決定。オーバー・ザ・トップロープありの場外カウント19秒という特殊ルール。

 そしてこの日は、1回戦で藤本つかさと星ハム子が激突した。
 両者は2008年にデビューした同期であり、今までに50戦以上シングルマッチで戦ってきた間柄。互いを知り尽くす両者の対決は技の読み合いとなり、両者得意技をクリーンヒット出来ず。そして、ハム子は藤本の得意技であるビーナスクラッチを、藤本はハム子の得意技であるハムロールを繰り出すなど死力を尽くした戦いは互角のまま終盤へともつれ込んだ。
 ハム子が必殺のダイビング・ボディプレスを投下し、これをかわした藤本がインフィニティからビーナスシュートを放つ。ハム子はこれを回避して投げっぱなしジャーマン・スープレックスからノーザンライト・スープレックスホールドで叩きつけるが、ここで19分フルタイムドローのゴングが鳴らされた。

 試合後、ハム子は「私はIW19のベルト、自分の生きざまを見せれるベルトだと思っています。技が綺麗なわけでもない、器用な選手でもない、でも、私は画面の皆様にありのままの自分をそのまま伝えて、プロレスでハッピーになっていただけるように、この自粛期間中頑張りたいと思うのでお願いします」と語り、藤本は「正直この、投票、もう私にとってもハム子さんにとっても思い入れのあるベルトですし、もう、ほんとにどっちが勝ってもこれから新しい物語を紡いでいけると思うんで、ほんとに皆さん直感で入れていただければなと思います。あの19時のベルトは、希望を配信する事ができる人が巻くべきだと思っているので、みなさんが選んでくれたら私はもうそれで満足です」とコメントしてニコニコ生放送の視聴者投票へ。

 投票の結果は、藤本が24.6%、ハム子が75.4%とハム子が圧勝!
 
 この結果にハム子は感涙し、「私人気なくて、いつも全然何もできないのにこうやって選んでくれて、嬉しい!こんな事があると思ってなかったから、投票になったら絶対負けると思ってたから絶対勝たなきゃいけないと思って、ドローになった瞬間負けたと思って、でも皆さんの気持ちに答えられるように、やる時はやるんだ!やる時はやる星ハム子は!なんたって母ちゃんだから!母は強し!アイスリボンにはね、チャンピオンのユキ、つっかつくしだけじゃないってことを私が証明したいと思います!」と喜びを爆発させる。
 この結果を受け、藤本は悔しそうに笑いながらハム子のコメントの最中に背後から何度も寸止めのチョップを放つなど駄々をこね、「私はね、アイスリボンでの役目を終えたようなので皆様ありがとうございました……」とうなだれながら去っていった。

 ハム子は、デビュー後しばらくは自分に自信が持てない時期が続いていたが、2012年に自身初のシングルタイトルであるIW19王座を獲得したことが転機となり、今ではアイスリボンの中心になくてはならない選手へと成長した。2017年には実の娘である星いぶきもアイスリボンからデビューし、反抗期のいぶきと時には衝突しながらも母娘タッグでリボンタッグ王座に挑戦するなど、ハム子はレスラーとしても母としても強い姿をファンに見せ続けている。
 
 なお、この日の結果を受け、Aブロックの準決勝はつくしvs星ハム子vs世羅りさの勝ち残り3WAY戦に。Bブロックはトトロさつきと雪妃真矢が先に準決勝進出を決めており、後日行われる藤田あかねvs鈴季すずの勝者が3人目となる。