27日、東京都・新木場1stRINGにて『アイスリボン1048 in 新木場1stRING』が行われ、星ハム子が実娘・星いぶきの挑戦を退けてIW19王座の初防衛に成功した。

 IW19王座とは、2010年にアイスリボンの姉妹団体として誕生し、当時はUSTREAMで無観客試合を配信していた『19時女子プロレス』のベルト。新型コロナウイルス感染拡大による興行自粛の中、アイスリボンでは4月25日から無観客試合をニコニコ生放送やYoutubeで配信し、IW19王座を復活させて新王者決定トーナメントを行うなど、観客を入れた大会が開催できない時期も途切れること無く試合の模様を配信してきた。

 新王者決定トーナメントを制したのは、アイスリボン最古参の1人である星ハム子。
 ハム子は2012年に自身がこの王座を戴冠したことが飛躍のきっかけとなったことを語りつつ、「私が初めてこのベルトを取ったときに、(地元の)北海道に持ち帰って、一番に喜んでくれたのがいぶきで。いぶきも実はプロレスラーになる前に巻いたことがあって(笑)すごい笑顔でぴょんぴょんしてたので、『実際にプロレスラーになったのだからこのベルトに挑戦してこい!』という思いはあります」と防衛戦の相手候補として実娘・星いぶきの名を挙げていたが、今月13日の横浜大会で今年中の“母超え”を宣言していたいぶきが挑戦を表明。

 いぶきは、レスラーとしての母の背中を見て育ったことで影響を受けて2017年に当時中学生ながら自らもアイスリボンからレスラーデビュー。学業とプロレスの両立に思い悩む等身大の姿や、思春期の感情から母へ反発することで始まり最終的に心温まる結末となる母娘の抗争などで人気を博し、高校に進学した今はレスラー活動を続けながらクラスでトップの成績を収めるなど見事に両立する姿を見せている。

 闘志むき出しのいぶきはゴングと同時に丸め込みの連発で速攻決着を狙い、決まらないと見るや全力疾走のショルダータックルで何度もぶつかっていき、逆水平チョップを怒涛の連打。
 しかしハム子はこれをすべて正面から受け止め、いぶきをコーナーに上げてその豊満な腹を押し付けながら「生まれてきてくれてありがとう!」と叫んで娘とのタイトルマッチという悲願成就の喜びを噛みしめる。いぶきは「ナメんじゃねえぞ!クソババア!」と叫んで得意のライトニングスパイラルで叩きつけ、いぶロール、グッドいぶニングと多彩な丸め込みを繰り出していくが、これをすべて返したハム子が雪崩式ブレーンバスターからぶちかまし式のラリアット、最後はこだわりのダイビングボディプレスで3カウントを奪った。

 試合後にマイクを取ったハム子は、「いぶき、早く母親である私を越えてほしい。でも、いぶきのために、今越えさせるわけにはいかない。実は、私の母が今持病でとても危険な状態で、今日ここで試合できるかもわからなくて、でも、必死に生き続けてくれてるから、私は、今日いぶきとの試合ができました。北海道に、このベルトを持って、お母さんの目を覚まさせてきます!」と涙ながらに語り、この王座戦が母娘3代に渡る想いが詰まったものであったことを明かす。
 そしてハム子は、今回の防衛を受けてIW19王者決定トーナメントの相手であり、現ICE×∞王座(アイスリボンシングル王座)を持つ雪妃真矢に挑戦を表明。7月12日の大阪大会での王座挑戦が決まった。

 バックステージに戻ったハム子は、「母娘で地方とか後楽園の第1試合とかでシングルしたんですけど、まさかメインイベントでタイトルをかけてシングルをするとは思っていなかったので嬉しいです!いぶきも今まで出したことない技とか出してきたんで、『私を倒すために考えてきたんだな』っていうのは伝わりました。でもやっぱり、娘のことなので私は知り尽くしているので、それに惑わされず、最後はキッチリ自分の得意技であるボディプレスで勝ちました」と笑顔。
 そして、「今うちの母親がいつどうなってもおかしくない状況なので。今日の試合もハッッキリ言って出られるかどうかがわからなかったので、いぶきと試合ができて……このベルトを北海道のお母さんの病室に持っていって見せてあげて、今意識がないので、目を覚ましてくれたらなって思います」と、病に伏せる母への想いを語った。