英下院議長、政府の求めるブレグジット案採決を認めず すでに審議済みと

英下院議長、政府の求めるブレグジット案採決を認めず すでに審議済みと

ジョン・バーコウ英下院議長は21日、政府が求めたブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)協定案の採決について、すでに審議済みだとして認めなかった。

ボリス・ジョンソン英首相がEUと取りまとめた離脱条件の協定案について、政府はこの日、賛成か反対のみを問う採決(通称「意味ある投票」)の実施を下院で求めた。しかし、バーコウ下院議長は、その協定案は19日にすでに審議済みだとして、同じ協定案についてまた審議するのは「繰り返しで、無秩序だ」と述べた。

議長は自分のこの判断は、同じ議会会期中にすでに下院で審議済みの動議と実質的に同内容のものを再審議してはならないという、1604年にさかのぼる議会慣習規則にもとづくものだと説明。「この下院の時間を有効活用し、その決定を適切に尊重する」ための判断だと述べた。

官邸報道官は、バーコウ議長に判断について「がっかりだ」とコメント。「議長はまたしても、英国民の意志を実現する機会を我々から奪った」と批判した。

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下院は19日、37年ぶりに土曜日に審議し、政府の離脱協定案を審議すると共に、離脱に関する法整備を終えるまでは離脱協定案を採決しないという議員案を322対306で可決した。イギリスは10月31日にEUを離脱することになっているが、これによりジョンソン首相は19日中にEUに離脱延期を要請することが義務付けられ、首相は同日中にドナルド・トゥスクEU大統領に離脱延期を求める書簡を送った。

ブレグジット派は反発

ブレグジットを強く支持する保守党のサー・バーナード・ジェンキン議員は、バーコウ議長が「片方を喜ばせ、もう片方の意に反する」議事進行を繰り返すのは、「驚くべきことだ」と批判した。

保守党のデイヴィッド・T・C・デイヴィース議員も、「あなたの決定に一貫性があるとすれば、それは常に議論の片方をひいきし、決して政府の側に立たないということだけだ」と糾弾した。

これに対してバーコウ議長は、「私の決定に一貫するのは、下院にとって正しいと思うことをしようとしている、その点にある」と反論した。

政府は近く「離脱協定法案(WAB)」を提出させる方針だが、法案成立には下院と上院の両方で十分な審議を経なくてはならない。最大野党・労働党のサー・キア・スターマー影のEU離脱担当相は、WABについて複数の修正案を提出する意向を示している。

住民の大多数がEU残留を支持したスコットランドの自治政府与党・スコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード英下院代表は政府に対して、WABの成立を「ごり押し」することなく、「十分な精査」ができる時間を議会に与えるよう呼びかけた。

もしも、WABが上下両院を通過しなければ、イギリスは現状では10月31日の離脱期限に、離脱条件について合意のないままEUを離脱することになる。しかし、首相が要請した離脱期限の延期をEUが認める可能性もある。


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