トルコ大統領、シリア再進攻は「必要なくなった」 ロシアと合意

トルコ大統領、シリア再進攻は「必要なくなった」 ロシアと合意

シリア北部へのトルコの軍事進攻をめぐり、同国のレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領と、シリアに影響力をもつロシアのウラジーミル・プーチン大統領が22日、会談し、両首脳が「歴史的」と呼ぶ合意に至った。

合意は、シリア北部のトルコとの国境付近からクルド人武装勢力を遠ざけ、「安全地帯」を設置するというもの。

トルコは合意の発表から数時間後、さらなる軍事作戦の必要はなくなったと表明した。同国はアメリカとの合意により、軍事作戦を22日まで「一時停止」していた。

「安全地帯」設置へ

トルコはこれまでに、シリア北部への進攻で、ラスアルアインからテルアビヤドにかけての全長120キロに及ぶ地域を制圧。ここを含む北部一帯に「安全地帯」を設け、トルコにいるシリア難民200万人を移住させたい考えだ。

このトルコの越境行動に対し、シリアと同盟関係にあるロシアは懸念を示していた。


クルド武装勢力を排除

この日の会談では、プーチン氏はトルコの構想を支持。トルコが民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」などクルド人武装勢力と衝突するのを防ぐ狙いがあるとみられている。

両首脳の合意に関する声明では、シリア北部の街マンビジとタルリファト(ともにトルコ軍時作戦の範囲外)から、クルド人武装勢力を「排除する」としている。

シリア北部をめぐっては、アメリカが突然、駐留軍を撤退。トルコとロシアが影響力を増したとみられている。

今回の合意で、トルコはクルド人を排除して制圧した地域を管理することができるようになる。一方、ロシアはシリアと共同で、それ以外の地域を監視することができる。

合意には、ロシアとトルコが23日から合同でシリア北部をパトロールする計画も盛り込まれた。

ロシアはシリアとも合同パトロールを23日から予定している。トルコ軍が展開していないシリア北部が対象地域。


シリアは合意を支持か

一方、クルド人武装勢力は、この日の合意について、態度を明確にしていない。

ロシア大統領府によると、シリアのバシャール・アル・アサド大統領は、合意への全面的な支持と謝意をプーチン氏に表明したという。また、ロシア軍警察と協力して、シリアの国境警備隊が国境付近に出動する準備が整っていることも伝えたとしている。

国連は、シリア北東部に居住する約300万人のうち17万6000人(うち子ども約8万人)以上が、過去2週間に自宅からの避難を余儀なくされたとしている。

シリア人権監視団(本部イギリス)によると、軍事衝突による死者は、民間人120人、クルド人戦闘員259人、トルコの支援を受けたシリア人戦闘員196人、トルコ軍人7人に上っている。

トルコ当局によると、YPGのトルコ国内での攻撃で、トルコの民間人20人が死亡した。

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米軍撤退きっかけに

シリア北東部をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ大統領が6日に駐留米軍の撤退を発表。トルコは9日、YPGが支配するシリア北部への進攻を開始した。

トルコの狙いは、同国がテロ組織と認定しているYPGの戦闘員を、「安全地帯」から完全に排除することだ。シリア内戦などでトルコに避難してきたシリア難民360万人のうち、最大200万人をこの安全地帯に移住させたいとしている。

ただ、こうしたトルコの動きには、クルド人に対する民族浄化だとの批判も出ている。

米軍の撤退については、過激派「イスラム国」(IS)掃討で米軍に協力したクルド人を、アメリカが見捨てたとの非難が上がっている。


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