中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染者は6万人近くに上り、世界保健機関(WHO)は緊急事態を宣言した。「COVID-19」は現在、イギリスや日本を含む世界各国に広まっている。

BBCニュースの健康担当チームが、読者から寄せられた質問に答えた。


新型ウイルスはドアの取っ手などからも感染するのか? ウイルスはどれくらい生き延びる?――ヒーン・ヒメネスさん(パナマ)

新型ウイルスに感染している人が咳をする時に手で顔を覆い、その手で何かを触れば、表面にウイルスが付着する。ドアの取っ手などは、こうしたリスクの一例だ。

一方で、こうした表面でどれくらい新型ウイルスが生き延びられるのかは分かっていない。専門家は数時間ほどだと見ている。それでも、感染やウイルス拡散を防ぐには、定期的に手を洗うのが最善策だ。


気候や気温はコロナウイルスの感染に関係する? ――アリヤナさん(ドイツ・メルキッシュ=オーダーラント)

このウイルスについては、分かっていないことが多い。気温の変化がどのように感染の広がりに影響するかはまだ不透明だ。

インフルエンザなど一部のウイルスは季節性で、寒い時期に流行のピークが来る。一方、同じくコロナウイルスである中東呼吸器症候群(MERS)も気候条件に影響を受け、温かな季節にやや広まりやすいとする研究もある。


感染者が準備した食品からウイルスに感染する可能性は? ――ショーン・マッキンタイヤさん(オーストラリア・ブリスベン)

コロナウイルスを持つ人が衛生に配慮しないで食べ物を準備した場合、その食べ物から別の人にウイルスが移る可能性はある。手に着いた咳の飛まつから感染が広がることもある。ウイルスの拡散を防ぐには、食べ物に触ったり食べたりする前に手を洗うこと。これは誰にとっても重要なアドバイスだ。


コロナウイルスに一度感染すれば、免疫はつく? ――デニス・ミッチェルさん(英オックスフォードシャー州ビスター)

感染症が治ると、その人の体には次に同じ病気になった時にどう対処すればいいかの記憶が残る。ただ、こうした免疫機能は長く続かない場合も、効率的でない場合もある。年月がたつと効果が薄れることもある。感染後にどれだけの間、免疫が続くかは明らかになっていない。


COVID-19とインフルエンザの違いは? ――ブレント・スターさん(米オレゴン州グレシャム)

COVID-19とインフルエンザの症状は似ており、検査なしでは診断することが難しい。COVID-19では発熱とせきが主な症状だが、インフルエンザではこのほか、筋肉やのどの痛みなどの症状がある。また、COVID-19では息切れを感じることもある。

COVID-19の患者と濃厚接触したり、感染地域を旅行したりして新型ウイルスに感染した疑いのある人は、医師に相談する必要がある。


マスクは感染予防に有効? どれくらいの頻度で取り替えるべき? ――トム・リムさん(インドネシア・バリ)

マスク着用の効果はほとんど証明されていない。専門家は、定期的な手洗いなど清潔に気をつけるほうがはるかに効果的だとしている。


新型ウイルスは性交渉で感染する? ――デイヴィッド・チュンさん(シンガポール)

性感染に注意すべきかどうかはまだ明らかになっていない。現時点では、せきやくしゃみが主な感染経路だとみられている。


新型ウイルスの潜伏期間とは? ――ジリアン・ギブスさん

WHOは、ウイルス感染から症状が出るまでの潜伏期間は2〜10日間だと推定している。

さらにデータが集まれば、より細かな数字が出るとみられる。


新型ウイルスに感染した人は完治する? ――クリス・ステップニーさん(英ミルトン・キーンズ)

答えはイエス。多くの感染者が軽い症状だけで済み、ほとんどの人が完治すると考えられている。

一方で高齢者や、糖尿病やがんなど持病のある人、免疫機能が低下している人などはリスクが高い。

中国の国家健康委員会の専門家は、軽い症状の場合は1週間ほどで回復すると述べている。


武漢で購入し、イギリスに送られた荷物から感染することはある? ――ステファンさん

こうしたリスクの証拠はない。コロナウイルスなど一部の病気は、患者のせきやくしゃみが飛んだ表面から感染することが分かっているが、ウイルスはそう長くは生き延びられないとみられている。

郵送されたものが、目的地に着くまでウイルスに感染している可能性は低い。


中国でこうしたウイルスが多く発生しているのは理由がある? ――ゴータムさん

中国では多くの人々が動物と近い環境で暮らしており、これが原因だ。

今回の新型ウイルスも、コウモリ由来であることがほぼ確実視されている。ただし、コウモリからヒトに広がったわけではなさそうだ。同じく中国で発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)は、コウモリとジャコウネコが由来だった。

COVID-19については、初期の感染例は武漢華南海鮮批発市場と関連付けられている。この市場ではニワトリやコウモリ、ヘビといった野生動物が生きた状態で取引されていた。


ワクチンでの予防は可能? ――ハンス・フリードリヒさん

現時点では、新型コロナウイルスから身を守るためのワクチンは存在しないが、研究者らが開発に努めている。

このウイルスはこれまでヒトが感染したことはなかったため、医師にも不明な点がまだ多いのが現状だ。