イギリスのイングランド芸術評議会(ACE)は24日、イングランドのアーティストや劇場、ギャラリー、美術館などに合わせて1億6000万ポンド(約210億円)を注入すると発表した。新型コロナウイルスの流行により、文化セクターが打撃を受けているため。

また、ストリーミング配信ネットフリックスは、イギリスの映画・テレビ業界の緊急支援基金に100万ポンドを寄付することを明らかにした。

イギリスでは現在、劇場やギャラリーなどが休業を強いられているほか、映画やテレビ番組の制作も中止に追い込まれている。

新型ウイルスの大流行で、イギリスの芸術・文化セクターで働く多くの人が減収を余儀なくされ、先行きが見えない状態に置かれている。こうした中、イギリス政府は個人事業主に対する支援が欠けていると批判を浴びている。

ACEの支援プログラムの内訳は、個人向けが2000万ポンド(1人当たり最大2500ポンド)、ACEの助成スキームに所属する団体向けに9000万ポンド、このスキームに所属していない団体に5000万ポンド。

資金は宝くじ基金や開発基金からの助成金を流用するほか、緊急時の準備金でまかなうという。最初の支払いは6週間以内に行われる見通しだ。

「想像力を育む」

ACEの会長を務めるサー・ニコラス・セロタは、「COVID-19(新型ウイルスによる感染症)は文化セクターを越え、世界中に影響を与えている。しかし我々には、アーティストや芸術団体が、この危機の最中や回復の時に、イギリス中の人々の想像力を育み続けられるよう、このセクターを可能な限り持続させる責任がある」と述べた。

「誰も一人ではこの嵐には立ち向かえないが、協力し、さまざまなアイデアを共有することで、より強く新しい働き方、新しい関係性が、地域や国レベル、そして国際レベルでも生まれるだろう」

ネットフリックスは24日、イギリス映画協会(BFI)と慈善団体「フィルム・アンド・テレビ・チャリティー」が設置した緊急支援基金に100万ポンドを寄付すると発表した。こちらも、業界で働く人々に短期間の支援を行うものだ。

フィルム・アンド・テレビ・チャリティーのアレックス・パンフリー会長は、ネットフリックスの寄付は「映画・テレビ業界が大きな脅威にさらされている時にやってきた」と歓迎した。

「多くのフリーランサーが、たった一晩で仕事を失ってしまった。我々は前例のない隔離の期間に入っている。我々の調査では、こうした人たちはすでにメンタルヘルス(心の健康)に問題を抱えており、今後が懸念される」

「こうした中、ネットフリックスやBFIが我々と一体となって、この業界ではたらく人々を支えるためCOVID-19映画・テレビ緊急支援基金を立ち上げたことを歓迎する」

BIFのベン・ロバーツ会長も「フリーランスではたらく人々は、映画・テレビ業界の背骨だ」と述べた一方、「支援が必要なこの時期に最も大きな打撃を受けている」と指摘した。