米財務省は4日、第2四半期(4〜6月期)に過去最大の3兆ドル(約320兆円)の借り入れをする方針を明らかにした。新型コロナウイルス関連の経済対策で巨額の予算不足が生じている。

四半期の借り入れとしては、2008年の金融危機のピーク期に記録した過去最高額を5倍以上上回る。

アメリカの2019年の年間の借入額は1.28兆ドルだった。

同国では3兆ドル規模の新型ウイルス関連の経済対策を承認している。医療への財政支援や直接の現金給付などが含まれる。米政府の借り入れは現在、25兆ドル近くに達している。

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新型ウイルス関連の経済対策は、米経済の約14%に相当するとみられている。政府は4月15日だった納税期限を先延ばしており、それも歳入の減少につながっている。

今回の借り入れは、以前の政府予測より3兆ドル以上膨らむ。新たな経済対策の影響の大きさを示している。

現在、追加の経済対策が検討されている。ただ、共和党の一部からは、急増するアメリカの借り入れへの影響を懸念する声が出ている。

政府は国債を発行して借り入れを実行する。米国債は比較的リスクが低いと世界の投資家にみられており、借り入れの利率も従来から比較的低い。

しかし、新型ウイルスの流行前から、アメリカの借入額は増加を続けていた。歳出が歳入を超えていたため、多くのエコノミストが長期の経済成長にとってはリスクだと考える水準に近づいていた。

米議会予算局は先月、今年の予算不足は3.7兆ドルに上ると予測。借入額は国内総生産(GDP)の100%超に達するとした。


米中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は先週、新型ウイルスの世界的流行の前は、米政府の財政が改善されるよう望んでいたと説明。

しかし、経済活動の停止が命じられ、3000万人が仕事を失っている現在、経済への打撃を緩和するため支出が不可欠だと述べた。

そして、「力強い回復のために、経済はもっと多くのあらゆる支援を必要とするかもしれない」とした。

FRBは独自の経済対策の一環として3月以降、1兆ドル以上の米国債を新たに買い入れている。

アメリカの借り入れは従来から、外国の投資家らが大口の債権者となっている。2月時点で、日本や中国、イギリスの比率が高い。

近年、米中関係の緊張が高まっていることを受け、中国からの借り入れを見直す議論がアメリカでは起きている。

米プリンストン大学のアラン・ブラインダー教授は、低金利が続いていることから米国債の人気は高く、同国が借り入れを増やすことは可能だろうと述べた。


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