昨年12月にパリで肺炎と診断された患者が、新型コロナウイルスによる感染症COVID-19だったことが明らかになった。この患者の医師の話として、地元メディアが報じた。

イヴ・コーエン医師は、当時採取された検体を検査したところ、新型ウイルスに対して陽性と判明したと説明。患者はすでに回復しているが、当時COVID-19の流行地域への渡航歴はなく、どこで感染したかわからないという。

フランスではこれまで、初めて新型ウイルスが確認されたのは1月末とされていたが、1カ月近く早かった可能性が出てきた。

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パリ近郊のアヴィセンヌ・ジャン・ヴェルディエ病院の救急トップを務めるコーエン医師によると、この患者はパリ北東部ボビニーに住む43歳の男性。新型ウイルスの主な症状である空ぜきや発熱、息切れといった症状を訴えていたという。

この男性は、昨年12月27日に病院で診察を受けていた。これは、中国が世界保健機関(WHO)に原因不明の肺炎が武漢で発生していると伝える4日前に当たる。

男性は地元テレビ局の取材で、肺炎にかかる前に旅行をしていないと語った。

コーエン医師によると、この男性の子ども2人も新型ウイルスに感染したが、妻は何の症状もみられなかったという。ただ、この妻はシャルル・ド・ゴール空港近くのスーパーマーケットではたらいており、当時、中国から渡航した人と接触していた可能性が高いと話した。

コーエン医師は、さらに接触者などを調べる必要があると訴えている。

なぜこのケースが問題なのか

この男性のケースが確認されるまで、フランスでは1月24日に感染が確認された3人が最初のケースとされてきた。

このうち2人は武漢への渡航歴があり、残りの1人は渡航歴のある人物の近親者だった。

しかし今回の発表により、フランスにはもっと早くから新型ウイルスが存在していた可能性が浮上。感染拡大についての理解が変わることになる。

これまでは、欧州で最初にヒトからヒトへの感染が確認されたのは1月19〜22日の間、ドイツ人男性が同国を訪れていた中国人の同僚から感染したケースだとされていた。

アメリカも最近になって、新型ウイルスの流入した時期を修正している。カリフォルニアで行われた検視により、アメリカで最初に確認された新型ウイルスによる死亡例は、当初より1カ月も前に発生していたことが明らかになっている。

どうして過去のケースが明らかに?

コーエン医師はBFMTVの取材で、昨年12月から1月にかけてインフルエンザのような症状で治療を受けた患者のカルテを見直したと話した。

その中で、「当時、別の症状について検査した」14人の検体について「再検査を行い、新型ウイルスを追跡しようとした」という。

「14人のうち1人が陽性反応だった。この検体については間違いがないよう、さらに2回検査をしたが、どちらも陽性だった」

コーエン医師はすでに保健庁にこの件を報告しており、他の病院にも検体の再検査を呼びかけている。

このケースについての詳細な報告は今週後半、学術誌に掲載されるという。


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