イギリスのボリス・ジョンソン首相は10日、イングランドで新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)対策として行っていたロックダウン(都市封鎖)を緩和し、経済を再開させる計画を明らかにした。

イギリスに住む人の生活はどのように変わるのだろうか?

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仕事に戻れる?

・11日から、イングランドで「在宅勤務ができない人」には「出勤を積極的に推奨する」
・しかし他者と距離を取る必要は続くため、可能な場合は公共交通機関の利用は控える
・雇用主に対しては、職場を「COVID-19に対して安全」に保つためのガイドラインを策定している

政府が以前に公表したロックダウン緩和計画の草案は、ホットデスク(複数の従業員が1つの机を共有)を使った働き方は続けない方が良いとされている。

企業はさらに、オフィスや工場や建設現場などで、シフト制の導入や設備の共有方法、従業員の安全な動線確保なども検討しなくてはならない。

企業が国民保健サービス(NHS)と競合せずに従業員向けの個人用防護具(PPE)を確保できるかどうかも、課題となっている。

労働組合は、雇用主は従業員を守る必要があると強く訴えている。

学校や大学は再開される?

・ジョンソン首相は、イングランドの小学校は「段階的に」再開できる状態にあるかもしれないとした一方、どんなに早くても6月1日以降になると話した
・まず幼稚園の年長に当たる「レセプション」の児童と、小学校の1年生と6年生から授業が再開される見込み
・全国統一試験を来年に控える中学高校の生徒については、今年の夏休み前には「少なくとも教師と時間を過ごせるように」政府として希望している

ウェールズ自治政府は、6月1日までは学校を再開しないとしている。スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相も、6月1日までは学校の再開は見込んでいないと話した。

イングランドでどのように学校を再開するのか、施策の詳細は明らかになっていないが、以下のような手法が取られるとみられている。

・クラスの人数を減らす
・生徒をグループに分け、登校日を分ける
・教室のレイアウトを変える
・休み時間をずらす

一方、大学で9月以降に教室での講義が可能なのか、オンラインに切り変わるのかは不透明だ。

屋外での無制限での運動が可能に

・5月13日から、イングランドの市民は「レジャー目的」でより長い時間、屋外に出ることが可能になる
・これまで屋外での運動は1日1回だったが、今後は「より多く、無制限に」許される
・公園で座ったり、同居人と「スポーツ」をすることも許される
・一方で、同居人以外の人と2メートル以上の距離を取る施策は引き続き適用される

同居していない人同士が2メートル以上離れた状態で、公園で座って話をしたりすることは許されるということになる。

オリヴァー・ドウデン文化相は、同居人とならば、ゴルフやバスケットボール、テニス、釣りといったスポーツを行ってもよいと説明した。

ウェールズとスコットランドでは、11日から1日2回以上、屋外での運動が認められる。

新型ウイルスの脅威はどのように計測する?

・ジョンソン氏は、5段階の「COVID警告システム」を導入すると発表した
・他者と距離を取る施策を「どれだけ厳しく」取るかを表すもので、5が最も厳しく、1が最も緩和された状態を示す
・イギリスは現在レベル4とされている

買い物にはいつから行けるようになる?

・首相によると、イングランドでは食料品店や「必需品」を売る店舗以外は早くても6月1日から、「段階的に営業を再開」していく
・ただし、ここでも他者と距離を取ることが求められる

ウェールズでは11日からガーデンセンターが再開される。スコットランドと北アイルランドではまだ政府の決定を待っている段階だ。ジョンソン首相は、イングランドのガーデンセンターについては言及しなかった。

一部のDIY店では営業を再開しているが、営業時間を短縮し、カード決済のみを受け付けている。

パブやカフェ、レストラン、劇場、映画館は?

・ジョンソン首相は、政府は「少なくとも一部の接客業や公共施設」を「再開したいと考えている」ものの、他の店舗よりも時期は遅く、少なくとも7月以降だと述べた
・こちらも、科学的証拠や他者と距離と取ることが可能かどうかに左右される

BBCニュースが入手した政府ガイダンスの草案によると、経済が再開されてもレストランやカフェでは、バーカウンターや座席は利用できず、テイクアウトのみの営業となるという。

空の旅はどうなる?

・ジョンソン氏は、国外(アイルランドを除く)から空路でイギリスに入国する人に「間もなく」自主隔離を強制することになると述べた

ただ、隔離の方法など詳細は明らかにされなかった。また、フランス政府との相互取り決めに伴い、空路入国者の隔離はフランスからの入国者には適用されない。

空港や航空会社にとっては他者と距離を取らなくてはならないことが最大の難関だ。ロンドン・ヒースロー空港のジョン・ホランド=ケイ最高経営責任者(CEO)は、「物理的に不可能だ」と話している。

英格安航空イージージェットは中央の席を空席にして運航すると述べている一方、同業ライアンエアーのマイケル・オレアリーCEOは、こうした措置は「馬鹿馬鹿しい」と話した。

その他の対策としては、乗客にマスク着用を義務付ける、健康チェックのために出発時間の4時間前に空港に到着する、体温検査を受けるなどの措置が考えられているようだ。

イギリス航空各社によると、政府はこれに先立ち、アイルランドを除く外国から空路でイギリスに入国する全員に、14日間の自主隔離実施を5月末から指示すると通達したという。これに対し英航空団体「エアラインズUK」は、「航空業界を実質的に殺すことになる」と警告した。