アメリカで人種差別への抗議が広がる中、テキサス州出身のカントリーバンド「ディクシー・チックス」が25日、「ザ・チックス」に改名すると発表した。

「ディクシー(Dixie)」あるいは「ディクシーランド(Dixieland)」は、テキサス州など南部州のニックネームとして使われる言葉。南部の州が奴隷制存続を主張しアメリカ連合国を作り、南北戦争につながったことから、人種差別を想起させるとして取り除いた。

ザ・チックスは改名とともに、人種差別への抗議を歌った新曲「March March」も発表した。

アメリカでは先にも、ポップ・グループ「レディ・アンテベラム」が「レディ・A」に改名している。アンテベラムも、奴隷制時代を暗示する言葉だ。

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黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に暴行を加えられ、亡くなった事件をきっかけに、アメリカではさまざまな業界で人種差別に対する取り組みが始まっている。

ディクシー・チックスのバンド名をめぐっては、雑誌ヴァラエティーのジェレミー・へリガー氏が、2020年にその名前は受け入れられないのではないかと疑問を投げかけていた。

ヘリガー氏は先に改名を発表したレディ・Aに言及しながら、「ディクシー・チックスは、衆目を集めるために名前を変える必要はないが、沈黙を貫くのも問題だ」と指摘。

「これは今すべき議論だし、ディクシー・チックスにも加わってほしい」と話していた。

ザ・チックスは過去にグラミー賞を13回受賞している。

過去にも政治的発言

「ザ・チックス」というバンドは、すでにニュージーランドに存在している。

米音楽メディアのピッチフォークが入手した声明でザ・チックスは、このバンド名を使うことを許可してもらったことを明らかにし、「心から感謝している」と語った。

「素晴らしい才能のある姉妹とこの世界に共存できることを光栄に思っている」

ザ・チックスは過去にも政治的な発言を行っている。2003年にはロンドンで行われたコンサートで、アメリカのイラク侵攻を支持しないと述べた。

また、メンバーのナタリー・メインズ氏は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領がテキサス州知事を務めていたことを「恥ずかしく思う」と話している。