欧州航空大手エアバスは6月30日、新型コロナウイルス危機により、従業員1万5000人を2021年夏までに削減すると発表した。

エアバスはイギリスで1700人を、ドイツやスペイン、そのほかの地域では数千人超を削減するという。

この計画は、強制解雇に反対している労働組合との協議の対象となる。

英労組「ユナイト」は、エアバスの発表について イギリスの航空宇宙分野における「新たな産業破壊行為」だと述べた。

従業員の1割は英国勤務

エアバスでは世界中に約13万4000人の従業員がいる。そのうち約10分の1は英国内で働いている。

同社は英国内での人員削減は、フリントシャー州ブロートンと、ブリストル・フィルトンの2拠点にある民間航空機部門に限定されるとした。

雇用削減と2つの巨大工場の扱いに関する詳細は、労組との協議を経て、今週中にも発表される。

しかし、ユナイト側は製造業で1116人、オフィスベースで611人の雇用が削減され、エアバスの英国内の従業員数は15%縮小すると予想しているという。

2021年夏までの人員削減をめざすエアバスは、大半の人員削減が自主的あるいは早期退職になることを期待している。

同社は新型コロナウイルス危機の影響に苦しんでおり、今年4月には、「前例のない速さで資金が無くなりつつある」と警告していた。

「最も重大な危機」

エアバスは6月30日、同社の生産量がここ数カ月で40%減少したと述べた。また、航空便の運航量については、早くても2023年までは新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)以前の水準には戻らないと予想しているとした。

「エアバスはこの業界がこれまでに経験した中で最も重大な危機に直面している」と、同社のギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は述べた。

「我々がこれまで取ってきた措置によって、世界的流行による初期の影響を和らげることができている」

「いま我々はこの企業を維持し、健全でグローバルな航空宇宙産業のリーダーとしてこの危機を切り抜けられるようにしなければならない」

航空各社で人員削減

エアバスの人員削減は、国際的な航空業界が新型ウイルスのパンデミックの影響にあえぐ中で発表された。

英格安航空イージージェットは6月30日、イギリスの3拠点を閉鎖し、スタッフ約2000人を削減すると発表した。

仏蘭系航空大手エールフランスKLMは今後2年間でさらに6500人以上の削減を目指していると、ロイター通信は報じた。

英野党・労働党のジム・マクマホン影の運輸相は、政府からのさらなる支援を求めた。

「労働党はより高い環境基準を強く求めつつ、最も影響を受けた産業の一時帰休の延長や、雇用の確保やサプライチェーンの保護を含む、航空業界全体を支援する分野別の取り決めを一貫して呼びかけてきた」

英政府の報道官は、「我々はエアバス従業員とその家族にとって困難な時期になることを理解しており、影響を受けた人をあらゆる方法で支援する準備ができている」と述べた。

「我々は、民間航空市場が回復していく中で企業が再建できるよう、航空分野と緊密に連携していく」