ユニアデックス(東常夫社長)は1月29日、ユーザーやパートナーとの共創スペース「ACT+BASE」を開設した。同社を中心としたエコシステムを構築しつつ、コミュニケーションを加速させることで、ネットワーク領域に次ぐ新たな事業創出のエンジンとして活用していく考え。

 もともとネットワーク機器の販売と保守などを主力事業としている同社では、新たな事業の柱として、顧客のビジネス創出・変革を支援するデジタルトランスフォーメーション(DX)事業の立ち上げに取り組んできた。2018年に営業・SE・マーケティングなどさまざまな人材を集めてDXビジネス創生本部を設立。15年にはIoT領域での共創ラボ「IoTエコシステムラボ」を開設し、IoTパートナーの数は52社まで拡大させていた。
 DXビジネス創生本部DXビジネスの営業統括部の抜井健二統括部長は「ビジネスのスピードが加速している中で、このスピードに取り残されないための支援がインテグレーターには求められるようになっている」とその意義を語る。
 今回のACT+BASEは、IoTエコシステムラボをさらに発展させたもので、IoTにこだわらずさまざまなテクノロジーに即したビジネス創出を目指す。主なターゲット層としては製造・医療・流通の三つの業界に狙いを定め、中でもこれまで同社がアプローチできていなかった中小企業を注力領域として据える。DXビジネス創生本部ソリューション開発統括部の鍋谷健統括部長は「私たちにとってこの取り組みはホワイトスペースの開拓でもあり顧客層をより拡大できるようになる」と期待を寄せる。
 ACT+BASEでの活動はセミナーやワークショップ、ハッカソンを通じた課題の模索が起点となる。そこから1週間単位でプロトタイピングを進め、具体的な事業として落とし込んでいく。ユーザーだけでなくパートナーも交え複数の観点から事業を磨いていく考え。一方でこれらの活動と並行して、自社内での人材育成プログラム「DXチャレンジ」も進めていく。すでに今年度から20人近くのエンジニアに対して実施しており、その成果をACT+BASEに還元していく。鍋谷統括部長は「われわれのビジネスは保守が中心だったこともあり受動的なところがあった。そのマインドをより能動的に変えるという目的もある」と強調する。将来的にはACT+BASEを通じたアジャイル人材の派遣も視野に入れているという。
 同社では今後、共創パートナーが持つラボとも連携を進めていき、20年度以降にはスタートアップ企業や大学などとのコラボレーションを目指す。抜井統括部長は「あくまで既存事業は残しつつも、新たな事業を立ち上げるにはここから離れた思考が必要になる。ユーザーとの対話から彼らの業務を知りつつ、自らも高めていけるような場にしていきたい」と意気込みを語った。(銭 君毅)