東京大学発のスタートアップで、AI人材育成のための教育プラットフォームを提供するアイデミー(石川聡彦社長)は1月30日、8.3億円の資金調達を行ったと発表した。累計の資金調達額は9.4億円。石川社長は「多くの企業が生き残りのためにデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指す中で、AIの内製化支援を基軸にして、ソフトウェアやデータをビジネスの中心に据える変革の推進に貢献していきたい」と語った。

 14年設立のアイデミーは、17年12月にAIにフォーカスしたサービス提供を開始。“10秒で始めるオンラインAI学習サービス”と銘打った「Aidemy」をリリースした。環境構築不要ですぐにAIプログラミングの学習などが始められるウェブサービスだ。18年には法人向けのサービス提供も開始し、ユーザー数は19年9月時点で6万5000人を超え、法人でも50社以上の導入実績があるという。
 法人向けにはAidemyブランドの下に二つのサービスを用意している。一つが「Aidemy Business Cloud」で、オンラインでAI関連の技術を学べる学習コンテンツを50種類以上提供し、ユーザーのレベルに合わせてこれらを組み合わせ、個別カリキュラムを作成する。隔月でユーザー会も開催し、ユーザー同士の課題共有なども促しているという。
 もう一つの法人向けサービスが、「Aidemy Intensive Plan」で、管理職・企画職向けと技術職向けのプランがある。デジタルビジネスを手掛ける企業の管理職や企画職向けが持っておくべきAIの知識をレクチャーするほか、AI活用型ビジネスの企画書作成スキルを身につけてもらうためのコンサルティングサービスを提供する。技術職向けには、オンラインコーチングで機械学習モデルの試作品開発を支援し、課題のコードレビューなども行う。
 さらに今年4月には、作成した機械学習モデルを実運用するための監視・再学習・管理画面などの機能をワンストップで提供する「Aidemy Technology」もプレローンチ予定だ。
 Aidemy Technologyがラインアップされると、同社の法人向けサービスは、AIプロジェクトのための組織体制構築から人材育成、事業定義、PoC開発、実運用までをカバーすることになる。「アイデミーが目指すのは、「AIに強い人と組織を構築するためのソリューション」(石川社長)であることから、ユーザー企業がAIプロジェクトの内製化を進めるために採用するケースはもちろん、SIerなどITベンダーが自社のAIビジネスを担う人材育成に活用する例も増えているという。
 今回調達した資金はプロダクトの研究開発に4億円、広告宣伝費に2億円、運転資金などに2億3000万円を配分する。向こう2年間で法人ユーザーを400社以上に拡大させる目標だ。(本多和幸)