週刊BCNは3月25日、「有力商材が切り拓く、新たなビジネスの世界」と題したセミナーを開催し、有識者や注目のITベンダー3社が、新型コロナウイルス対策で活用できる製品などを紹介した。セミナーは、週刊BCNが各地で開催している全国キャラバンの一環。新型コロナウイルスの感染予防のため、今回は初めてオンラインだけで実施した。

 最初に事業構想大学院大学の渡邊信彦教授が「Society5.0時代、ITベンダーが知っておくべきこと」と題して基調講演した。渡邊教授は「今後は、時代や社会、価値観の変化のなかにITをどうインストールするかがテーマになる」とし、「単に新しいテクノロジーを開発したということでなく、社会の変化に対応した提案をしないと、大きな間違いにつながる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
 その上で、第5世代移動通信システム(5G)の実用化などで「これまでの2次元の転送が3次元の転送に変わり、プロセスや産業が大きく変わっていく」との見通しを示し、「時間や距離の短縮、人材不足の解消といった課題は、テクノロジーで大きく改善されるだろう。製品やサービスをただ使ってもらうだけでなく、それを使ってどういう価値を出すかということまで考えて提供してほしい」と呼びかけた。
 続くITベンダーのセッションでは、NASを手掛けるSynology Japanとセキュリティ製品を提供するアンラボ、ビジネスチャットを提供するChatworkの責任者らが登壇し、各社の製品の特徴や顧客への提案ポイントなどを紹介した。
 Synology Japan 営業部の田野久敏セールスマネージャーは「テレワークに最適!Synology NAS導入のメリット―様々なビジネスシーン向け―」と題して講演した。Synology NASについて、PCの保存領域を消費せずにデータが確認できるオンデマンド同期を注目機能として挙げたほか、権限管理やセキュア接続などの特徴も示し、「Synology NASが選ばれる理由は豊富な機能。いろいろなニーズの顧客に提案することができる」と語った。また「機能を組み合わせることで、リモートワークの効率を向上させることができ、全体の業務も改善できる」と訴えた。
 アンラボ 営業部の宮本明営業部長は「中小企業市場における『V3 Security for Business』の展開とアンラボのパートナー戦略について」をテーマに説明した。昨年10月にリリースした日本向けのエンドポイントセキュリティ製品「V3 Security for Business」について「クラウド型のサービスなので、自社に管理サーバーを設置する必要はなく、管理の手間がかからない」とし、「コストも安いので、日本ではコスト重視のリプレース需要を狙う。2022年12月末までに300社とパートナー提携し、3万社の法人顧客を獲得したい」と述べた。
 Chatwork 事業推進本部ソリューションセールス部パートナーセールスチームの薮内智志氏は「ビジネスコミュニケーションから見直す働き方改革」について説き、ビジネスチャットの市場について「17年は62億円だったが、22年には230億円規模になる見通しで、非常にポテンシャルの高いマーケット」と紹介した。その後、25万社以上が導入しているChatworkの機能や導入企業から評価されている点などを示しながら「Chatworkは、中小企業のマーケットにフィットしている。有料ユーザーの約85%が300人以下の企業」とし、「チャットは誰でも使えるサービス。これを業務のメインプラットフォームにして、ほかのIT活用を目指したい」と語った。
 セミナーの最後には、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター プラットフォーム研究グループの小林奈穂主任研究員が「組織の創造性〜デジタル時代の経営指標と分散型ワーク・マネジメント」と題して特別講演を行った。働き方改革とデジタル化の関係について「ITが高度化したことによって分散型の働き方が実現し、定型業務が自動化され、労働者の自由が増えた」と分析。「働き方を時間で管理することに意味はなくなっており、KPIは効率性から創造性にシフトしている」とし、コミュニケーションの取り方やリーダーの意識の持ち方など、創造性の高い組織が実践している作法などを披露した。