富士通は3月26日、富士通本体の自治体、医療、文教向け事業部門と、準大手から中堅・中小企業向け事業を担当する富士通マーケティング(FJM、広瀬敏男社長)を統合した新会社を7月1日に発足すると発表した。社名は未定。早期立ち上げのため、新会社は新設法人ではなくFJMを母体として発足する予定。また、富士通の田中達也会長が4月からFJMの会長に就任し、新会社でも継続して会長を務める予定。

 富士通は4月からの新年度に合わせて組織体制の刷新を行ったが、その中で日本国内に特化した公共、地域、社会インフラおよび中堅・中小企業向けの事業は、新設部門の「JAPANリージョン」が担うとされた。今回の新会社は、JAPANリージョンの事業のうち、中央官庁と社会インフラを除く幅広い領域を担当することになる。
 新会社は9000人規模となる見込みで、FJMの従業員数(2019年3月時点で3289人)から考えると、5000人超が富士通本体から移籍する形になる。富士通によると、この中にはSEも含まれる。富士通は16年、SE子会社の富士通システムズ・イーストと富士通システムズ・ウエストを吸収合併し、システム開発部隊を本体に集中する体制をとっていたが、今回の新会社ではSEを再び社内に抱え、営業、システム設計・開発から保守・サポートまでをワンストップで提供できるようにする。
 新会社の大きな役割として掲げられているのが、これまでFJMが担っていたパートナー連携のさらなる強化だ。国内で高いシェアをもつ自治体向けパッケージや電子カルテシステムに加え、SaaS製品の拡充を図り、富士通パートナーが提案しやすい商材を揃えていく。地方のパートナーに対しては、これまで自治体や医療・文教向け商材は富士通本体、企業向け商材はFJMと商流が分かれていたが、これらを統合しより強力な販売支援体制を整える。また、新会社ではデジタルトランスフォーメーションにつながる提案を行う営業職の「ビジネスプロデューサー」を新設。AI、クラウド、ローカル5Gの活用や、新会社の事業領域である官民学医の横断的な連携も企画していく。
 富士通は4月からの経営体制下で「日本市場での圧倒的なビジネスの拡大」を目指しており、国内営業の経験が長く、ノウハウや人脈が豊富な田中会長が新会社の会長に抜擢された。富士通の会長職は3月31日付で退任し、4月からはFJM専任の会長となるが、これは新会社の立ち上げに全力で取り組みたいという田中氏の意向によるものという。加えて4月から、富士通でJAPANビジネスグループ長を務める中野克己常務がFJM副会長に、同グループの副グループ長を務める砂田敬之常務がFJM副社長に就任し、7月以降継続して新会社で同職を務める予定。(日高 彰)