NECは6月29日、ベクトル型スーパーコンピューター「SX-Aurora TSUBASA」で、従来機(SX-Aurora TSUBASA A511-64)と比較し、実装密度を倍増したデータセンター向け新モデル「SX-Aurora TSUBASA B401-8」の販売を開始すると発表した。また同モデルを、東北大学サイバーサイエンスセンター(東北大学)から大規模科学計算システムとして受注した。

 あわせて、SX-Aurora TSUBASAシリーズの全モデルで、金融業や流通業などあらゆる業種でAIを活用するために必要な機能を大幅に拡充するとともに、半導体や自動車などの製造業で活用するために必要なアプリケーションソフトウェアの品揃えを拡充した。
 SX-Aurora TSUBASAは、NECが長年スーパーコンピューター開発で培ったLSI技術と高密度実装技術、高効率冷却技術などを結集したカード型のベクトルエンジン(VE)を多数搭載する省電力なサーバー。世界トップクラスの単一コア性能と単一コアメモリ帯域をもち、科学技術計算や大規模データの高速処理を得意とし、気象予報、地球環境変動解析、流体解析、ナノテクノロジーや新規素材開発などのシミュレーション、AI活用で高い実効性能を実現している。
 今回の新モデルでは、水冷方式を採用し冷却効率を向上することで、搭載するベクトルエンジンを増やすことが可能となり、単位面積あたりの実装密度を従来比で2倍とした。これにより、大学・研究機関の計算センターや企業のデータセンターなど、限られたスペースにスーパーコンピューターを大量導入する用途への対応を強化している。
 また、ベクトルプロセッサー処理性能を従来比で25%向上し、サーバー本体のプロセッサーとベクトルプロセッサーを協調動作させて性能を高める「Vector Host Call」や「Vector Engine Offload」を実装するなど、ソフトウェアによる性能向上を実現する。
 なお、同モデルを導入する東北大学は、地震・津波・気候変動シミュレーション解析などの防災減災に資する研究開発や、最新の航空機開発など最先端のものづくり分野での利用を予定している。
 加えて、ベクトルプロセッサー性能を25%向上した4Uラックマウントモデル「SX-Aurora TSUBASA B300-8(8VE)」(空冷方式)の販売も開始する。