Speeeは、7月10日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場した。上場初日の初値は5150円。公開価格2880円の1.79倍で寄り付いた。
 Speeeグループは、「解き尽くす。未来を引きよせる。」というミッションのもと、データドリブンな事業開発の連鎖で多様な産業領域の変革を推進している。自社で蓄積したデータと世の中に散在するデータや解法を収集・整理し、活用方法を紡ぎ出すことで顧客企業の成果最大化を目指しており、「MarTech事業」では、データ分析を元にしたマーケティングソリューションサービスを提供するほか、データを活用したマーケティング施策のオペレーション代行などを行っている。
 具体的には、(1)Googleなどの検索エンジンを通じてユーザーの来訪数や購入数などを向上させるために顧客のウェブサイトの掲載内容や構造を改良することを目的としたコンサルティングサービスを提供する「Webアナリティクス」、(2)運用型広告を中心とするプロモーション手法を通じ、顧客のウェブサイトへの集客を適切に行うための課題抽出、戦略立案から広告の運用までを一貫して実施する「トレーディングデスク」、(3)人工知能(機械学習)の技術を活用したアルゴリズムにより、ユーザー・媒体・広告の最適なマッチングを図るネイティブ広告を扱うアドネットワークの「UZOU」、(4)散在している顧客の社内外のデータを収集・統合・可視化するとともに広告の費用対効果の最適化を始めとするマーケティングへの利活用方法の提案する「PAAM」を展開している。
 「X-Tech事業」では、バリューチェーンの非効率が取り残されやすい状態になっている、産業としての歴史が長い領域に対して、バリューチェーンの生産性に影響をおよぼしている課題を特定したうえで、テクノロジーを活用した新たなソリューションを実装している。具体的には、中古不動産売却のマッチングサービス「イエウール」、外壁リフォームのマッチングサービス「ヌリカエ」を展開しており、いずれの市場でも、集客支援メディアとして参入後、ツールの提供などを通じて価値提供の幅を拡大する方針をとっている。
 「Data Platform事業」では、ブロックチェーン技術を活用して、これまで流通してこなかった企業や個人のデータの取引を可能にするプラットフォーム「Datachain」を運営している。Datachainでは、重要なデータに関して、すべての取引履歴について第三者による検証が可能で、意図しない相手へのデータ流出を防ぎつつ、中央管理者を介さずに当事者間でデータ流通が完結する取引形態を実現することで、ブロックチェーン技術とトークンエコノミーによってデータ流通を革新することを目指している。
 このほかに、同社グループでは、将来の企業成長の柱となる事業の立ち上げを目指し、インドネシア共和国で企業の求人広告を制作・掲載し、それを求職者である一般ユーザーへ情報提供を行うウェブサービスや、従業員のヘルスケア領域に対して、テクノロジーを活用したサービスの運営を行っている。
 MarTechの主要事業領域であるビジネス・アナリティクス市場は、20年には前年比13.4%増の3845億円となる見込みで、デジタルデータの増加やデータ分析基盤のインフラが加速度的に高性能化を続けるなかで、26年度まで毎年2ケタ増の高い成長が見込まれている。こうした状況で、同社グループでは、首都圏を中心に293社の顧客にマーケティング支援を行っており(5月度実績)、広告の配信では198社の広告主・642の媒体(5月度実績)と取引している。
 X-Techの主要事業領域である不動産・リフォームのテクノロジー市場は、情報通信技術を活用し、効率的に集客を行うベンチャー企業の取り組みなどの浸透が進んでいることで年々拡大を続けており、20年は、6267億円まで増大すると予想されている。また、国土交通省は、「25年に中古住宅流通市場は8兆円、リフォーム市場は12兆円」を政策目標として掲げており、今後も成長が期待されている。そのなかで、同社がターゲットとしている中古不動産・リフォーム市場の流通量は、今後も拡大することに加えデジタル化がさらに進むと考えている。
 こうした状況のもと、20年9月期の連結業績予想は、売上高87億5300万円(前期比18.0%増)、営業利益5億8900万円(前期比197.5%増)、経常利益5億3700万円(前期比184.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億9700万円(前期比2266.7%増)を見込んでいる。