NTTテクノクロスは9月29日、タキイ種苗と協力し、AIが画像から植物の種の発芽率検査を支援するソフトウェア「AI発芽検査」の開発に成功したと発表した。AI発芽検査は、11月1日にタキイ種苗に先行導入し、21年4月の一般販売に向けて開発・改良を行う予定。

 種苗法では、種が正常に発芽する割合を示した発芽率について、一定以上の水準を確保することが販売企業に義務付けられている。そのため、タキイ種苗では、品種開発・入荷検査・出荷検査などのタイミングで、年間10万点にわたり発芽率の検査を行い、品質の確保に努めている。しかし、検査は目視による手作業で行われるため、検査量に限りがあった。また、熟練の検査員になるには、期間を要するため、技能継承も課題になっていた。そこで今回、NTTテクノクロスのAI技術と、タキイ種苗の検査業務ノウハウにより、これらの課題を克服し、ソフトウェアによる発芽検査を実用化した。
 これまで発芽率の検査では、まず容器に1ミリ程度の種を100粒並べ、数日生育させる。そして、芽が正しく出ているかを1粒ずつ検査員が目視で判定し、100粒に対し、1分以上かけて検査していた。
 AI発芽検査では、撮影した種の画像からAIが学習データをもとに発芽状態を判定する。この支援により、検査員は1回当たりの判定作業を十数秒に短縮できる。タキイ種苗で、キャベツの種を用いて行った事前の検証では、判定精度(検査員判定との一致率)98%を確認し、経験が浅い検査員の判定作業では、5倍以上の効率化を見込めることがわかった。
 また、AI発芽検査は、デジタルカメラとパソコンのみで利用できるため、大規模な設備を必要とせず、低コストで簡単に導入可能。さらに、判定後の画像は保存可能で、検査の証跡として活用することができる。