【BCN速報値】好調だったPC市場が、週次ベースでついに前年割れに突入した。全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、3月第2週(3月9〜15日)のPC販売台数は前年比96.7%となり、前週の100.4%から3.7ポイント下がった。発生源の中国からはじまって日本、韓国、イラン、欧州、米国など全世界に拡大した新型コロナウイルスの影響が、春のPC市場を直撃している。

 4月の入学や新社会人、異動などの新生活に向けて、例年なら3月はPC販売の稼ぎ時。BCNランキングのデスクトップとノートを合算したPC販売台数で、2018年の11月第1週を100とした指数推移のグラフ(下のグラフ)を見ても、19年の3月第1週は137.3、第2週は147.4、第3週は165.8、第4週は169.4と週を追うごとに増加している様子が分かる。
 しかし、20年の2月第4週〜3月第2週の指数推移を見ると、140前後をうろついたまま、ついに前年を割った。3月15日付の記事でも紹介したように、新型コロナで操業停止した中国の工場の影響で、ノートPCなどの完成品が入ってこない状況が続いている。
 3月第2週になってから、中国国内は徐々に落ち着きつつある様子が報じられている。家電量販本部やITベンダーからも、「工場が稼働し始めている」「交通機関が動き始めて日常生活を取り戻しつつある」といった中国の様子が聞かれた。
 しかし3月11日にWHO(世界保健機構)が「パンデミック」の認識を示すと、13日には「欧州がパンデミックの中心地になった」として、イタリアを中心とする欧州に拡大していることが示された。同日、米国のトランプ大統領が国家非常事態宣言を出したりするなど、新型コロナの感染の脅威は全世界に広がっている。
 「3月第2週(3月9〜15日)は前年割れになるだろう」と予想し、残念ながらその通りになってしまったBCN総研の木下智裕部長は、3月第3週(3月16〜22日)を次のように占う。
 「3月17日に家電量販店のあるメーカーの売り場を訪れると、オフィス搭載モデルがほぼなくなり、非搭載モデルもなくなりつつあった。店員に聞くと、週末の在庫も待つかどうかとのこと。年度末の法人需要に、テレワーク需要が重なっているのに対応できず、来店客に謝ってばかりだという。こうした状況とPOSデータの動きから考えると、売り弾が不足している状況で前年を超えるのは難しいだろう」。
 在宅勤務を採用する企業の広がりでテレワーク需要が増しているが、肝心の商品がなければ手の打ちようがない。海外の製造工場からの一日も早い商品の入荷が切望される。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。