東北大学は5月8日、若者と高所得者の加熱式タバコ喫煙率に関する分析結果を発表した。

 これまで、若者や社会経済的地位の高い者の喫煙率は低いことが報告されているが、急速に普及しつつある加熱式タバコの喫煙者の特性を調べた調査は多くなかった。そこで今回、東北大学では、加熱式タバコ喫煙者の社会人口学的特徴を分析した。
 17年に実施したウェブ調査に回答した20〜69歳の男女4926人の、年齢と所得で分析した結果、若者と高所得者で加熱式タバコの喫煙が多いことが分かった。ほかの社会経済的地位の指標(学歴と職業)でも、社会経済的地位の高い者に加熱式タバコ喫煙が多くみられた。
 分析結果によると、解析対象者のうち、「非喫煙者」が4077人(82.8%)、「紙巻きタバコのみ喫煙者」が700人(14.2%)、「加熱式タバコ喫煙者」が149人(3.0%)だった。男女ともに、60〜69歳と比べて20〜29歳は加熱式タバコを有意に多く使用していた。
 男性では、等価所得200万円群と比べて400万円以上群は有意に多く加熱式タバコを使用していた。喫煙者だけを解析対象にした場合も、同様の結果が認められた。また、他の社会経済的地位の指標(学歴と職業)を用いた場合にも、社会経済的地位の高い者に加熱式タバコ喫煙者が多いという結果は一貫していた。
 今回の研究によって、若者や社会経済的地位の高い者に加熱式タバコが多く使用されていることが示された。一般的に、日本でこれらの人々の喫煙率は低いことが報告されているため、紙巻きタバコと対照的であるといえる。そのため、加熱式タバコの普及によって、日本で経年的に減少している喫煙率の低下が妨げられる可能性がある。加熱式タバコを含めたタバコ規制政策を検討するためには、加熱式タバコ喫煙者の属性にも対応する必要があると考えられる。