【木村ヒデノリのTech Magic #027】 「UPRIGHT GO2(アップライトゴー2 以下、アップライト)」はイスラエルの会社が開発した正しい姿勢をサポートするガジェットだ。姿勢矯正の効果は臨床的にも検証済みだそうで、サンフランシスコ州立大学の研究ではアップライトの使用で、心理的にも肉体的にも健康になれるとしている。興味深い製品ではあるが、本当に効果があるか、実用的なのか、気になるところだ。今回は筆者が1か月弱、実際に使用してみた感想もふまえてお伝えできればと思う。

●アプリとの連携も軽快で手軽に使いはじめられる


 アップライトのセットアップは簡単で、デバイスを背中に貼り付けたらアプリとリンクさせるだけだ。すると「背筋を伸ばした状態を測定してください」と表示されるので、ほどほどに背筋を伸ばして測定、その後背中の傾きが検知されるようになる。
 貼り付ける面はジェルのようなシールがついており、繰り返し使える。毎日使っても1か月は問題なく使えた。このシールは消耗品として購入可能だが、気になる方はネックレスタイプのホルダーも用意されているのでそちらを選ぶといいだろう。個人的には貼り付ける方が手軽だった。

●モードを使い分けることで姿勢を徐々に矯正


 モードは「トレーニングモード」と「トラッキングモード」の2種類があり、トレーニングモードだと基準より背が曲がった際にバイブレーションで知らせてくれる。基準は3種類あり、座った状態→スタンダード→アクティブと環境に合わせて設定することで変化する仕組みだ。
 トレーニングは1分間程度のものから始まり、日を追うごとに長くなっていく。基本的にはその日のトレーニングを終えたらトラッキングモードに変更し、1日の姿勢を記録して確認するというルーティンを繰り返す。こうすることで無理なく徐々に姿勢を良くしていくというわけだ。

●毎日数分のトレーニングで本当に良い姿勢になってくる


 実際使ってみると高精度で姿勢を検知してくれるものの、トレーニング中に立ったり座ったりすると誤検知されることも多かった。したがって、「今日はデスクワーク中にトレーニングしよう」など、シチュエーションを決めて使うのがよい。
 また、同じシチュエーションばかりでなく、歩いている時や読書をしている時、食事をしている時など、トレーニング環境を変えることで1日を通して良い姿勢でいられるよう変化してくる。数分だけだが毎日姿勢を意識する機会が得られるので、無理なく続けられる点も考えられている。先進的なガジェットではあるものの、技術だけでなくユーザー体験まで作り込まれていてかなり好感がもてた。
 難点を挙げるとすれば、メリットでもある「貼り付ける」という運用だろうか。本体が非常に軽いため、1日トラッキングで装着していると装着していることを忘れてしまう。剥がれ落ちてしまう心配はなかったものの、そのまま入浴しそうになったことが何度かあった。そういう意味ではネックレスタイプで使った方が安心と言えるかもしれない。
 装着に関しては一考の余地があるが、1か月程度の使用である程度の効果は実感できたので実力は間違いない。筆者の場合は特にPCで作業する際の効率が上がった(あまり疲れなくなった)のと、ストレートネックのような症状が現れなくなった。日本人はスマホ由来の体の不調が出やすいという説もあるので『スマホを見ている際にアップライトでトレーニング』という試し方をしていただければ、多くの方は効果を実感できるのではないだろうか。
 その他のデメリットはアプリが日本語対応していないということだ。ただこれに関してはYouTubeに日本語のクイックスタートガイド動画がある(2020年10月現在)ので、同様の海外ガジェットを自分で翻訳して使うよりは幾分かハードルが低いのではないだろうか。
 価格は日本円で約1万2000円と意外に安い。姿勢矯正サポーターなども同じくらいの金額なので迷うところだが、サポーターは自分の意識を変えてくれるわけではない。意識が変わらなければ、常に装着しなければならないためあまり実用的と言えないのではないだろうか。
 その点アップライトは姿勢に関する意識を変えるガジェットで、コンセプトも新しい。リモートワークで誰にも見られず仕事をしていると、姿勢も崩れてきてしまうのが常だ。姿勢の悪さからくる負荷は、慢性的な体の不調となって効率を落とす原因になる。ニューノーマルの新しいライフスタイルではこうしたケアも重要となってくるかもしれない。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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