美術系・芸術系大学では卒業制作などの課題に集中的に取り組むことなどから、一般的に就職活動のスタートが遅くなる傾向があるといわれています。受験生を持つ保護者の中には将来の就職を考えて、お子様の美術系・芸術系大学への進学を躊躇されるケースも見られるようです。そのような中、入学初年次から教職員協働によるキャリアサポートを導入することで、2015年卒業生から5年間で30%以上の就職内定率の向上を実現した宝塚大学東京メディア芸術学部の事例をご紹介します。

この記事のポイント

  • 95%の高い就職内定率の背景にある「キャリアサポート3つの柱」
  • マンツーマンのキャリア面談を、3年次から全員必修で実施
  • 4年間で夢に向かって「自分ごと」として行動する力を磨く
  • 大学にいながらコンテンツ制作の実務に携わる環境を整備
  • クリエイティブ業界で生きる「社会人基礎力」を養成

95%の高い就職内定率の背景にある「キャリアサポート3つの柱」

宝塚大学東京メディア芸術学部では、2020年卒業生の就職内定率95%の実績があります。また、昨年の2019年は96%、一昨年の2018年は94%と高い就職内定率で推移しています。その理由は、学生を支える3つのキャリアサポート。それは、①「就職支援委員会」を核とした教職員間の学生情報の共有 ②初年次教育からキャリア授業にいたる計画的なキャリアサポートの実施 ③学生個々の特性に応じたきめ細かいキャリア・カウンセリング の3つ。これらのトータルなしくみづくりによって高い就職内定率を実現しています。また、大学のある新宿区などの自治体や企業と提携したクリエイティブプロジェクト、キャンパス内に入居するコンテンツ制作会社での実習や実制作など、学生が社会や企業と関わりながら実務に携われる環境を整えることで、キャリア意識を高める取り組みを行っています。

マンツーマンのキャリア面談を、3年次から全員必修で実施

宝塚大学東京メディア芸術学部のキャリアサポートの特長は、学生一人ひとりのスキルを把握した担当教員と、就職支援室の職員、学生の日常をサポートしている学務課職員の三者が情報を共有し、常時連携していること。学生は3年次には全学生がキャリアカウンセラーの常駐する就職支援室職員と2回以上の面談を必修とし、4年次には内定を獲得するまで複数回の面談を実施。中には10回以上の面談を重ね、学生の就職活動の意識を高めながら、自己分析からエントリーシートやポートフォリオの作成・添削、模擬面接の実施まで、教職員が一体となって個々の学生を継続的にサポートしています。

4年間で夢に向かって「自分ごと」として行動する力を磨く

多くの学生が志望するクリエイティブ業界を中心とした進路をサポートするために、初年次から「社会人基礎力」を磨く必修科目を用意。2年次の正規科目として「仕事とキャリアデザインⅠ・Ⅱ」、3年次の「就職活動とキャリアデザイン」「ポートフォリオ制作実習」などを通じて、就職活動に向けての作品をはじめとする実績づくりを進めていきます。中でも特徴的なのは、大学のある地元新宿区をはじめ、地方自治体、企業、各種アートイベントやコンテストなどに参加する課外活動が充実していること。これらの活動を通じて、社会や企業と関わることで「社会人基礎力」となる主体性、実行力、傾聴力、課題発見力、想像力などを磨いていきます。

大学にいながらコンテンツ制作の実務に携わる環境を整備

キャンパス内には、ゲーム分野を担当する井上幸喜教授が代表を務めるコンテンツ企画開発会社 JET MANと、映像制作会社のjet graphicsの2社が入居。大学の中に企業がある全国で唯一の例として、各方面から注目を浴びています。ガラス張りのオフィスで社員が働く様子は、学生が日々利用する「PC演習室」から間近に見ることができます。また、実際に学生がゲームコンテンツやアプリ制作、広報媒体制作などのプロモーションに携わるなど、就業体験の機会を提供。顧客が存在する実務経験の場、コンテンツクリエイター育成の場としても活用されています。

クリエイティブ業界で生きる「社会人基礎力」を養成

「各分野の学び」「キャリア授業の学び」「年次ごとのキャリアサポート」、この3つのポイントを通じて、初年次教育からキャリア授業へ、計画的なキャリアサポートを実施している宝塚大学東京メディア芸術学部。これらをバランスよく連携させることにより、受け身ではなく、「自分ごと」としてキャリアプランを意識し、進路に向かった行動に移していくためのサポートを行っていることが高い就職内定率に表れているといえます。クリエイティブ業界でビジネスに関わっていくための学生たち個々の「社会人基礎力」を丁寧に磨いていく宝塚大学東京メディア芸術学部のキャリアサポートの態勢は、即戦力が求められるクリエイティブ業界をはじめ、各産業においても今後、より強く求められていくことでしょう。

宝塚大学 東京メディア芸術学部
https://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/

本掲載情報は2020年9月時点のものです。