今後ますますグローバル化・情報化すると考えられる日本や世界の未来。そんな未来の社会で生きていくため、このたび日本の教育は文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準を改訂し、子どもたちがより「質の高い学び」を得られるよう制度を整えました。

勉強も人間関係も、小学校時代から大きく変わることになる中学生。多感な時期だからこそ、教師や生徒だけでなく保護者もしっかりと変化を把握して、よりよいサポートをしていきたいものですね。

この記事のポイント

  • コミュニケーションの力を高める
  • 多様性を知り、認める力を育てる
  • 情報活用能力を育てる

コミュニケーションの力を高める

文部科学省によると、コミュニケーション能力とは「話す・聞く・書く・読む」といった言語活動のほか、「イメージ、音、身体」を使うなど非言語も含めた活動のこととしています。

さまざまな国の人々との交流が増え、機械と共に働く環境になるであろう現在の子どもたちは、正解のない課題や経験したことのない問題についていろんな人たちと一緒に考え、解決していくことが必要となります。そのため「相手の思いを正確に受け取る・自身の思いや意見を正確に伝える」ためのコミュニケーション力は必須であると言えるでしょう。

そのため、言語能力の確実な育成や外国語教育の充実をポイントとして掲げています。とくに中学生では、外国語の授業をすべて英語で行うことが基本とされ、実践的なコミュニケーション力の育成をおこないます。オンラインでのやりとりも増えてきた現在、自分の思いや意見を上手に相手に伝える力はとても大切。新学習指導要領では発達の段階に応じた語彙力や表現力を学ぶなどして、それらを総合的に育てていきます。

多様性を知り、認める力を育てる

海外の人々との交流に関してはもちろん、日本のなかの同じ≪日本人≫という位置づけのなかでも価値観や障害の有無、生き方などを含めた違いがあります。そんな「同じ性質を持ちながらも、いろんな違いが存在すること」を多様性といい、それを理解し認めることで、グローバルな社会で共存し、成長していきやすくなります。

それに関連して、まずは日本の伝統や文化について正しく学び、道徳教育を充実させながら「自国の文化を学び、身に付ける」ことがポイントとして置かれています。

これまでの日本の伝統や文化はどのように生まれ、進化してきたのか? 必要性や魅力・良さを知るからこそ、他の伝統や文化も受け入れやすくなるという面もあります。伝統のすばらしさを生かしつつ将来の環境に合わせて新しい可能性を探っていく……。そんな「温故知新」なグローバル社会になると素敵ですね。

情報活用能力を育てる

「情報化社会」と言われるこれからの日本では、あふれる情報のなかから「自分が求めている情報・根拠がしっかりしている正しい情報」を選び取る必要があります。そのためにはパソコンやスマートフォン、タブレットなどを使いこなせる技術のほか、情報を調べるスキルや自分で考えて判断するスキル、それらの情報を取り扱う「情報モラル」などが求められます。

情報活用能力とは、主にそれらの集めた情報を整理して正しく理解する力や、分かりやすく相手に伝える力などをいいます。文部科学省のパンフレットでは、
“必要な情報を主体的に収集・判断・処理・編集・創造・表現し、発信・伝達できる能力等を育むこと”
(平成27年度 文部科学省資料 「21世紀を生き抜く児童生徒の情報活用能力育成のために」より)
とされています。

内閣府の令和元年の調査によると、小学生では37.6%だったスマートフォンでのインターネット利用が、中学生になると65.6%まで増加しているという結果が出ています。小学生から中学生への変化を期にスマホを手に入れるお子さまも多いはず。しかし使い方に慣れていない子も多く、トラブルに巻き込まれやすい時期だと言えるでしょう。

さまざまなリスクと隣り合わせになりがちなインターネットですが、上手に使えるようになればできることや可能性は大きく広がります。将来的に必ず必要になるものだからこそ、「使わせない」のではなく「正しい使い方を教える」やり方でサポートしていきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

学習指導要領が改訂されたとはいえ、教員や生徒などすべてがきちんと対応できるよう、変化は緩やかに行われていきます。そのため、心配しすぎる必要はありません。

大切なのは保護者が「子どもたちの身の回りで起こる変化をしっかりと把握し、サポートしてあげられる体制を作っておく」ことです。大人への第一歩へ踏み出し始めた中学生の時期だからこそ、そばでそっと見守る対応を心がけたいものですね。


出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 総則編」
URL https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_001.pdf

出典:文部科学省「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」
URL https://www.mext.go.jp/content/1421692_1.pdf

出典:文部科学省「資料5 言語能力について(整理メモ)」
URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/056/siryo/attach/1366049.htm

出典:文部科学省「21世紀を生き抜く児童生徒の情報活用能力育成のために」
URL https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/07/1369631_5_1.pdf

出典:内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」
URL https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_torikumi/tyousa/r01/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf