「コロナで夫源病が再発した」「コロナと夫源病でたたかう毎日はツライ」。このような声がネット上で上がっている。

「夫源病」は、夫が原因のストレスで体調を崩すことだという。イライラしたり、強い不安感やゆううつ感を抱いたりするなどの精神的な症状や、吐き気、胃の不快感、頭痛、冷や汗、食欲不振や不眠などの身体的な症状を引き起こすこともある。

実際に「旦那がいる日がかなり増えた。ここ最近、目眩がひどくて気持ち悪い」「夫がずっと家にいるせいで体調が悪くなった」「日中は具合悪いが、旦那が寝たら具合が良くなった 」など、症状を訴える女性たちがいる。

●コロナよりも「夫源病」がこわい?

子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板にも「コロナより『夫源病』で死ぬかも」と題したスレッドがある。

スレッドには、「本当は言いたいんだよ。『ごめん、あなたがいるとストレスたまる』って」「うちの夫は通常勤務。休みになりませんようにと思ってる」「たいして動いてないのになんで規則正しく腹が減るんだよ、お前は。喰うな!」など、普段は言いたくても言えない夫に対する不満が綴られている。

ある女性は、昼食を作っていたところ、夫に「12時から昼休みやねん!いつになったら出来るねん!」と言われたようだ。このような夫の言動が、女性たちの体調を悪化させているのだという。

中には、コロナの流行を機に、夫と離婚したという声もあった。この女性は、母親を呼び寄せて同居し、夫に対しては「あなたはもう用済みでーすって追い出した」という。

在宅勤務や外出自粛によって、絆を深めることができれば良いが、現実には夫婦関係が悪化した家族も多いようだ。ネットには、夫源病を訴える声も見られるようになっている。

●「夫源病」を理由とした離婚は認められる?

しかし「夫源病」を理由とした離婚は認められるのだろうか。離婚問題に詳しい濵門俊也弁護士は「それだけでは認められません」と説明する。

「もちろん夫が離婚に応じてくれれば離婚はできます。しかし協議離婚が成立しなければ、調停、裁判へと進みます。その場合、民法770条1項に定められた離婚理由に該当する必要があります。

『夫源病』の場合、考えられるとすれば、民法770条1項5号が定める『婚姻を継続し難い重大な事由』に該当するかどうかでしょう。

離婚理由としてよくあげられる『夫婦間の価値観の違い』や『性格の不一致』は、裁判ではこの『婚姻を継続し難い重大な事由』に該当するかどうかで争われるのですが、夫源病も同様ですね」

では、夫源病は「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるのだろうか。

「夫源病のみでは、該当しないでしょう。別居を長期間するなど、客観的にみて婚姻関係が破綻している事情等が必要となります」。

【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えている。依頼者の「義」にお応えしたい。
事務所名:東京新生法律事務所
事務所URL:http://www.hamakado-law.jp/