離婚時には、夫婦で築いてきた財産を2人で分け合うことになります。ではその時、浪費を繰り返し、財産のない相手にも分与しなければいけないのでしょうか。

弁護士ドットコムに相談をよせた女性の場合、相手は生活費を渡してくれなかったそうです。理由をたずねると「お前の態度が悪いから」「自分で稼いできたら?」などと開き直る態度でした。

女性は「いま考えると、借金の返済で、十分な生活費を私に渡せなかったのだと思います」といいます。夫は現在、自己破産を検討中です。

女性は離婚するつもりですが、財産分与はどうなるのでしょうか。新保英毅弁護士に聞きました。

●「夫婦の財産形成に貢献していない」場合、減額もあり得る

「離婚に伴う財産分与は、当事者間で協議ができない場合は、家庭裁判所で決めることになります(民法768条2項)。

そして、家庭裁判所が決める財産分与は、離婚あるいは別居時点に存在した夫婦双方の財産を折半するという扱いが一般的です。そうすると、夫が財産より借金の方が多いすなわち債務超過であり、妻のみに財産がある場合、妻から夫に財産分与をすることになりそうです」

ーー相談者の場合、夫は浪費で借金を作ったようです。生活費を負担してきた妻が、離婚ではさらに夫に対して財産分与しなければいけないのでしょうか。

「そうとも限りません。民法768条3項では、財産分与させるかどうか分与の額及び方法については、夫婦の財産形成に対する貢献度その他一切の事情を考慮して裁量により決めることができるとされています。

したがって、今回のケースでは夫が浪費を繰り返し夫婦の財産形成に貢献していないという事情を考慮して財産分与額を調整・減額することも十分考えられます。

また、夫が今まで収入があるのに生活費を渡してこなかったという事情があれば、この事情も財産分与額を決める上で考慮される余地があるでしょう」

ーー夫は自己破産を予定しています。このことは、どう影響しますか。

「離婚後、財産分与の内容が確定する前に夫が破産をした場合、破産管財人が相談者に対し離婚財産分与の請求をしてくる可能性があります。

この場合、相談者は、破産管財人に対し、上で述べたような夫の財産形成に対する貢献度や生活費を渡してもらっていなかった事情を主張されるといいでしょう」

【取材協力弁護士】
新保 英毅(しんぼ・ひでたか)弁護士
2004年弁護士登録。相続・遺産分割事件、中小企業の法務の案件を多く取り扱っている。モットーは「依頼者ひとりひとりに適したオーダーメイドのサービス」。
事務所名:新保法律事務所
事務所URL:http://shinbo-law.com/