5月1日は労働者の祭典「メーデー」。2020年は日本初のメーデーから100年の節目だったが、新型コロナウイルスにより集会が困難に。中にはネット配信で「連帯」を呼びかけた労働組合もある。

ナショナルセンター(全国中央組織)の「全労連」は集会、デモ行進を中止。代わりに収録した式典VTRをYouTubeのライブ機能をつかって配信した。

機材トラブルで、予定より1時間半ほど遅れてスタートするハプニングもあったが、

「労働者への賃金・雇用保障、中小零細業者への直接助成による経営安定など、すべての国民に社会不安を解消する『自粛と補償』一体の緊急コロナウイルス対策を求めていく」

などとするメーデー宣言案が読み上げられた。

「みなさんの大きな拍手で採択したいと思います」とアナウンスされると、YouTubeのチャット欄には「8888(編注:パチパチパチパチ/拍手の擬音)」などの反応が。

全労連の小田川義和議長が「がんばろう三唱」の音頭をとったときも、同様に「がんばろう」がいくつも投稿されていた。

同じくナショナルセンターの「全労協」は、式典のライブ放送もした。

国内最大の「連合」は、祝日の4月29日に一足先にウェブで開催し、メッセージを配信している。

●Zoomで「シュプレヒコール」も

中には、ネットで集会を開いた労働組合も。

多国籍・多民族の「全国一般東京ゼネラルユニオン(東ゼン労組)」は、会議ツール「Zoom」に組合員のうち50人ほどが集結。その模様をYouTubeでライブ配信する「電脳メーデー」を実施した。

コロナ対策や付随する生活支援など、使用者や政府に対する要求事項が読み上げられると、あちこちから「そうだ!」の声が。

「シュプレヒコール」の号令がかかると、組合員たちは、

「使用者は、コロナ解雇を、やめろ!」
「やめろ!」

「使用者は、労働者を無理やり職場に通勤させるのを、やめろ!」
「やめろ!」

「労働者が電脳メーデーで闘うのは当然だ!」
「当然だ!」

などと拳を突き上げた。

配信の最後には、サックスの生演奏で労働歌「インターナショナル」の合唱もあった。

●「100年前と同じように手探りだった」

東ゼン労組の顧問を務める指宿昭一弁護士は、「ちゃんと集会になってましたね」と振り返る。

「日本で始まってから100年、今やメーデーは形骸化している。

逆に今年は、どうやって団結するか、工夫しないといけなかったという意味で、原点回帰だったと思うんです。100年前も、『メーデーってどうやるんだ』と手探りだったはずですから。

困難な状況の中、みんなでメーデーをつくりあげたという意味では、節目の年にふさわしかったのかもしれませんね」(指宿弁護士)

メーデーといえば、組合旗を持ったデモ行進などが連想される。しかし、コロナで一個所に集まるのが難しい今、これまでのやり方では労働者の連帯を広げるのは無理だろう。

ネットなどを活用し、いかに裾野を広げ、団結できるか。多くの労働者がコロナで苦境におちいる中、労働組合にいっそうの工夫が求められていると言えそうだ。