少年法の適用年齢引き下げをめぐり、犯罪被害者や遺族の支援をおこなっている団体「被害者と司法を考える会」は6月29日、18歳・19歳の非行少年への刑事訴訟手続きの拡大や厳罰化に反対する意見書を森まさこ法相、法制審議会長、少年・刑事法部会長あてに提出した。

提出後、同会代表の片山徒有さんは東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「社会の中には、厳罰化をすすめたり、適用年齢を引き下げたほうが、犯罪が防げるという人がいることは知っています。しかし、少年法の理念は守らなければなりません」とうったえた。

●少年法の適用年齢引き下げが議論されている

改正民法により、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることにともなって、現在、法制審議会の部会で、少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げることの是非について議論がされている。

こうした状況の中、自民・公明両党の実務者が検討する案が、6月24日に報じられた。

報道によると、18歳・19歳による犯罪について、検察官送致(逆送)する対象範囲を広げる方針で一致したという。また、凶悪事件にかぎって、本名や顔写真など少年が特定される「推知報道」を容認することも課題としてあがっているという。

●「少年たちのチャンスを奪うことになる」

今回の意見書は、与党案を受けて、次のように指摘している。

(1)法制審の議論が続けられている中で、法案化に向けた結論を提示することは、法制審への口出し・政治介入と取られても仕方がない暴挙だと言わざるを得ない

(2)エビデンスに基づく慎重な検討をせずに、多くの少年を逆送する制度を軽々しく導入するなら、少年たちのチャンスを狭め、または奪うことになる

(3)推知報道についても、「犯罪者」と名指しされた若者が、差別や偏見を乗り越えて生き直すことは、想像以上に難しい