神奈川県茅ケ崎市に住む女性が夫の食事に食器用洗剤を混入させたとして、8月に暴行の疑いで書類送検されていたと、毎日新聞(9月26日)が報じた。

報道によれば、2月ごろから味がおかしいことに気づいた夫が自宅内に小型カメラを設置して撮影。そこには、女性が食事に洗剤などを混入する様子が映っていたという。夫婦は不仲だったようだ。

食べた夫の体調に異変はなかったが、夫は料理を容器で保存。その後、神奈川県警に相談したことで、今回の事件が明らかとなったようだ。女性は容疑を認めているという。

●類似の事案は過去にも

個人が飲食物に異物を混入させる事件は、過去にも発生している。

愛知県東海市の介護施設で2016年10月、お茶に睡眠導入剤を混ぜて、従業員10人を薬物中毒にさせたとして、元従業員の女性が傷害罪で有罪判決を受けている。

また、愛知県知多市で2017年7月、元夫と長男が飲むお茶のペットボトルに食器用洗剤を混ぜたとして、女性が暴行の疑いで逮捕されている。この事件の発覚も、味の異変に気づいた元夫がカメラを設置し、洗剤を入れる女性の様子を撮影したことによるものだった。

●傷害罪や暴行罪が成立する可能性

法律上、他人の飲食するものに、故意に洗剤などを混入させた場合、傷害罪(刑法204条、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)や暴行罪(刑法208条、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)が成立する可能性がある。

傷害罪は、人の生理的機能を害した場合に成立する。

たとえ適量の服用であれば人体へ悪影響がない薬などの混入であっても、健康状態を不良にした場合などには、傷害罪が成立し得る。

一方、人の生理的機能を害したという程度にまで至らなかった場合でも、暴行罪が成立し得る。

今回のケースでは、暴行の疑いで送検されている。食べた夫の体調に異変がなかったため、「人の生理的機能を害した」とまでは言えず、送検時点では傷害罪が成立する可能性が低く、暴行罪にとどまると判断したものと思われる。