元交際相手の自宅に、出会い系サイトで知り合った3人の男性を押しかけさせたとして、40代女性が2月25日、ストーカー規制法違反の疑いで石川県警に逮捕された。

県警によると、逮捕されたのは、東京都日野市の40代女性。昨年9月13日から10月22日までの間、3回にわたって、3人の男性を元交際相手の自宅に押しかけさせた疑いが持たれている。

報道によると、女性は、出会い系サイトに「開いている所から家に入って」などと書き込んで、元交際相手の住所を自宅と偽って伝えて、代わる代わる、3人を押しかけさせていたようだ。女性は「相手に好意や恨みがあったわけではない」と話しているという。

今回のように直接、自分が押しかけたわけでなくても、ストーカー規制法違反になってしまうのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●他人を「道具」として使った場合も「自分」がやったことに

――どんな行為が「ストーカー行為」になるのでしょうか?

ストーカー規制法上の「ストーカー行為」とは、同じ人に対して、「つきまとい等」を反復してすることをいいます。

同法では、尾行してつきまとったり、自宅付近をうろつくほか、拒否されているのに何度も電話・メール・SNSメッセージを送ることなど、さまざまな行為が「つきまとい等」とされています。具体的には次のような内容です。

・尾行してつきまとう
・行く先々で待ち伏せする
・自宅などに押しかけたり見張る
・自宅付近をうろつく
・監視していると思わせるようなことをメールや電話等で告げる
・拒否されているのに面会・交際・復縁・贈り物の受領を要求する
・大声で粗野な言葉を浴びせたり、自宅の前で騒がしいことをする
・無言電話をかける ・拒否されているのに何度も電話・メール・SNSメッセージを送る
・汚物や動物の死体など不快感や嫌悪感を与えるものを自宅や職場宛に送りつける
・名誉を傷つける内容を告げたり、そうした内容をインターネットに掲載する
・わいせつな写真を送りつけたり、インターネットに掲載したりする
・卑猥な言葉を告げる

――今回のように直接押しかけていなくても「つきまとい等」になるのでしょうか?

「つきまとい等」になると考えます。他人を「道具」あるいは「自分の手足」として使った場合も、自分の手で「犯行」をおこなったことになるからです。 

今回の事件で、実際に押しかけたのは、女性本人ではなく、別の男性3人です。しかし、報道から考えると、男性たちは事情を知らなかったと思われますので、女性は「道具」あるいは「自分の手足」として、彼らを使ったといえると思います。

【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp