介護利用者への「虐待」増加、原因は過酷な労働環境? 改善目指し、労使協定締結進む

介護現場での利用者に対する虐待を減らそうと、業界最大の労働組合「日本介護クラフトユニオン」(NCCU)は、今年度から企業との間で労働環境改善のための集団協定を結んでいる。

8月7日、都内で開かれた経過報告会によると、すでに40社と締結。およそ7万2000人いる組合員のうち、約半数をカバーしているという。

介護スタッフによる虐待は増加傾向にあり、高齢者相手に絞っても、市町村への相談・通報件数は、2014年が1120件。2015年は46.4%増の1640件だった。

原因の多くは、職場の労働環境にあるようだ。NCCUが組合員348人に、何が原因だと思うかを尋ねたところ、「業務の負担が多い」が54.3%、「仕事上のストレス」が48.9%、「人材不足」が42.8%で上位を占めた。

●抜本的な解決のためには、介護報酬の引き上げが不可欠

協定では、事業者や組合が介護スタッフのストレス予防や軽減・解消に取り組むという内容が盛り込まれた。企業内で、業務の質量の見直しや相談体制の確立などが期待されるという。また、介護スタッフの研修を強化することなども明記されている。

NCCUの久保芳信会長は、抜本的な解決のためには、人員増と被介護者に対する職員配置基準の見直しなどが必要だとして、「2018年の改定で、介護報酬を引き上げる必要がある」と話していた。介護報酬は2015年に2.27%引き下げられている。

(弁護士ドットコムニュース)

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