「過労死110番」開始から30年、若年層の相談増加「職場での負担が強まっている」

労災問題で悩む人などを対象に弁護士や医師といった専門家が電話相談に応じる「過労死110番」が1988年6月に始まってから30年。今年も6月16日に全国一斉相談を実施する。電話相談を運営してきた過労死弁護団全国連絡会議の川人博弁護士は「まさか30年も続くとは思わなかった」と振り返る。現在もなお、日本の社会問題となっている過労死の実態が、相談から浮き彫りになる。

●6月16日に「全国一斉相談」実施

1988年6月から先月末までに全国から寄せられた相談は、累計で1万1752件。うち死亡事案は3780件にも及ぶ。川人弁護士によると、1990年代までは過労による脳心臓疾患事案が多かったが、2000年代に入ると自殺事案が増え、現在では半々になっているという。年齢も以前は40代から50代が多かったが、現在は20代から30代で増加傾向にある。

「1990年代のリストラで50代が職場を去って以降、30代を中心に職場での負担が強まったのではないか。若年層の労働力不足が過労死問題につながっている」と川人弁護士は話す。遺族も変化しており、「以前は一家の大黒柱を亡くした妻からの相談が中心だったが、今は独身の息子や娘を亡くした両親からの相談が増えている」という。

特にここ2年ほどは、電通の高橋まつりさん事件がきっかけとなり、相談は増加傾向にある。「1990年代後半から自殺が増え、脳心臓疾患が減っているが、過労死はほぼ同じペースで30年も続いている。なんでこんなに続いているのだろうという思いがある」と述懐した。

6月16日の全国一斉「過労死110番」は30都道府県で実施。東京はフリーダイヤル(0120)666-591、午前10時〜午後3時で受け付ける。この他の地方の窓口は、過労死110番のホームページ( https://karoshi.jp/ )まで。

(弁護士ドットコムニュース)

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