医師の「異常な働き方」を見直し、「男女ともに働きやすい社会を」 医師ユニオンが声明

東京医科大学で、女子と3浪以上の受験生の入試得点を操作する不正が明らかになったことを受け、全国で働く勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」は8月10日、「東京医科大学における女性受験生差別問題に関する声明」を発表した。

声明では「今回の女性差別問題の背景には医師不足の問題があり、この医師不足が医師に過重労働を強制しています」と指摘し、受験制度の透明化、医師の労働環境の改善などを訴えた。

●「異常な過重労働を勝ち残った医師たちが、自らの成功体験を肯定」

声明の中で、医師ユニオンは主に3つの要望を表明した。

1つ目が入試制度について。「面接や小論文などの個別評価は明確な基準がなく試験官の主観に左右されるため女性差別を証明することが困難」だとして、文部科学省に対し、全大学において不正が行われていないか調査を求めるとともに「内閣府が責任を持って文部科学省が厳格な調査を行うよう指導する必要がある」と厳しい見解を示した。

次に、患者のため長時間働いて当然という「医師聖職論」が医師の過重労働の要因になっているとして、医療界の意識の変革も呼びかけた。「異常な過重労働を担って勝ち残った医師たちが、自らの成功体験を肯定し、他人に押し付ける構図が今も根強く残っています」と述べた。

●「女性医師も男性医師も働きやすい社会に」

そして最後に、問題の根底にある「医師不足」と、それに伴う長時間労働への抜本的な取り組みを求めた。

声明によると、日本における人口当たりの医師数はOECD諸国より3割程度少ない。医師不足に加えて膨大な仕事量のために過重労働を強いられ、常勤医師の4割近くが過労死ラインを超えて働いている。こうした「異常な働き方」が、女性医師を減らすことにもつながっていると指摘した。

東京医科大学で行われた不正入試について「今回の事件は入学試験の不正操作による女性差別の問題ですが、その背景にあるのは大学の医師不足です」「女性医師比率が上昇する中で、政府が医師増員を適正に行ってこなかったツケが、今この様な形で問題化したと言えます」とも指摘する。

そこで「今こそ女性活躍のためにも抜本的医師増員を行うことで、女性医師も男性医師も働きやすい社会に変えていくべき」と訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)


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