ネットヘイトに侮辱罪 「在日コリアン」ルーツの少年をブログで罵倒、60代男性に略式命令

在日コリアンにルーツをもつ神奈川県川崎市の少年(当時中学生)を、インターネット上の匿名ブログで侮辱したとして、川崎簡裁は、大分市の60代男性に対して、科料9000円の略式命令を下した。少年の代理人が1月16日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて明らかにした。

略式命令は昨年12月20日付で、今年1月5日に確定している。少年の代理人によると、インターネット上のヘイトスピーチをめぐり、侮辱罪で処罰されたケースは非常にめずらしいという。被害を受けた少年は、代理人を通じて「もう二度と差別しないでほしい」というコメントを発表した。

●大分市の60代男性がブログで侮辱した

少年の代理人によると、男性は「写楽」というブログを運営。2018年1月、少年が地元の音楽イベントに参加したことに関する報道を引用し、少年の名前を出したうえで、「如何にもバカ丸出しで、面構えももろチョーセン人面」「見た目も中身ももろ醜いチョーセン人!!!」などと記載した。

少年側は同年2月から4月にかけて、ブログ管理会社やプロバイダに対して、発信者情報開示請求をおこなって、ブログ主を割り出した。書面を送ったところ、「侮辱する意図で記事を作成したものでもございません」と回答があったため、同年7月、川崎警察署に侮辱罪で告訴状を提出。男性は同年10月、侮辱罪で書類送検されていた。

●被害者は「泣き寝入り」しがち

少年の代理人をつとめた師岡康子弁護士によると、個人を対象としたヘイトスピーチには侮辱罪などが適用されるが、刑罰が軽く、被害者が泣き寝入りを余儀なくされている。少年に対するヘイトスピーチも、男性のブログだけではなかったが、少年とその家族は、男性が罪をおかしたことについて制裁を受けるべきだと考えて、告訴に踏み切ったという。

同じく代理人をつとめた神原元弁護士は会見で「インターネット上のヘイトスピーチについては、われわれ弁護士もやりきれない。一生懸命、削除をおこなっているが、すべて削除するのは難しい。法的整備が追いついていない」と語った。師岡弁護士は「(国は)独立の第三者機関をもうけて、非公開・無料・迅速にヘイトスピーチに対応すべきだ」と述べた。

●少年「恐怖やショックを忘れることはできません」

被害を受けた少年はこの日、代理人を通じて、次のようなコメントを発表した。

「匿名でも特定されて犯罪として罰せられたことにほっと安心しましたが、このブログに書かれたひどいヘイトスピーチを見た時の恐怖やショックを忘れることはできません。僕だけでなく僕の家族みんなが傷つき、家族みんなが被害を受けました。

祖母と同じ世代の人が50も歳の離れた自分にこんなひどいことをしたという事もショックです。今後はインターネットでも実生活でももう二度と差別しないでほしいです。

今でもインターネット上にはひどいヘイトスピーチが野放しにされています。

国がルールをつくって、もう誰も自分のようなつらい想いをすることなく、安心してインターネットを利用できる環境が整うことを願っています」

(弁護士ドットコムニュース)


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