慶應大、渡辺真由子氏の博士学位を取り消し「学位論文に適切な表示を欠く流用があった」

慶應義塾大学は3月20日、ジャーナリストでメディア研究者の渡辺真由子氏の博士学位を取り消したことを発表した。学位論文には、「先行研究の成果に関する適切な表示を欠く流用が含まれていた」という。

渡辺氏は同大に提出した論文「児童ポルノ規制の新たな展開−創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題−」で2017年2月に博士号を取得していた。しかし、この論文をもとにして、『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』が2018年4月に出版されると、広範囲にわたって他の論文などからの無断転載があることがSNSで指摘された。出版元である勁草書房では、外国の事例に関する論文をかなりの文量で転載、「注」で出典を示していたが、執筆者から許諾を得ておらず、「本文の主従関係が逆転しており、(許諾のいらない)引用とすることは難しい」と判断、同書を絶版にしていた。

弁護士ドットコムニュースが確認したところ、SNSで主に指摘を受けていたのは、『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』の第6章で、これは国立国会図書館の刊行物に掲載された論文からの転載が多く見られた。国立国会図書館に取材したところ、これらの論文は、国会活動を補佐する目的で論文を執筆され、誰でも閲覧できるように国立国会図書館のホームページで公開しているものだった。その利用については、「掲載論文等を全文もしくは長文にわたり翻訳される場合、または抜粋して転載される場合には、別途郵送などによる書類の提出が必要な場合もあります」と定めている。第6章について、国立国会図書館でも確認しているとしたものの、適切な手続きがとられていたかについては、「個別の事案については回答を控えさせていただきたい」としている。

●渡辺氏は「文科省のガイドラインに反する」と反論

さらに、渡辺氏のこの著書のもとになった学位論文自体も無断転載があるという指摘があり、慶應義塾大学は調査委員会を設置。調査を行った結果、「先行研究の成果に関する適切な表示を欠く流用が含まれていた」ことが判明。「学位論文の著者(渡辺氏)が基本的な注意義務を著しく怠ったことにより、学位授与の審査に当該著者の学術的な貢献および資質に係る重大な誤認を惹起したもの」と認め、学位規定第17条の「不正の方法により学位の授与を受けた事実」に該当するとして、学位授与の取り消しを決定したという。

渡辺氏はこれに対して、調査委員会が文科省のガイドラインに反すると反論。不服申し立てをすることをTwitterで表明している。

https://twitter.com/mayumania/status/1108236518961737728

〈速報〉慶應義塾大学は本日、私に対し、博士学位を取り消す決定を通知した。こちらは不服申し立てをする予定。調査委員会による調査について、「これで適正といえるのか」との疑念が残るため。なぜなら……(続)

— 渡辺真由子 (@mayumania) 2019年3月20日

(弁護士ドットコムニュース)


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