近年、中古車のニーズは軽自動車からミニバンへシフトしているという。新車販売では軽自動車1強といわれる時代だが、中古車市場では軽自動車のシェアが減少している代わりにミニバンが台頭しているのだ。また、中古車平均購入価格(2018年)は131.3万円で前年比約10万円の上昇となっている。

 中古車情報メディア「カーセンサー」(企画制作:リクルートマーケティングパートナーズ)編集長の西村泰宏氏は、平均購入価格の増加について「エンジンタイプがハイブリッドの中古車が増加していることが要因かもしれない」と指摘する。中古車業界のトレンドについて、西村氏に話を聞いた。

狙い目の「中古ハイブリッド車3選」

――中古車ニーズは軽自動車からミニバンに移ってきているのですか。

西村泰宏氏(以下、西村) リクルート自動車総研が毎年実施している「中古車購入実態調査2018」によると、「実際に購入した中古車のボディタイプ」は調査を開始した2015年から4年連続で軽自動車がトップで、ほかのタイプを大きく引き離しています。しかし、年々、その割合が減少傾向にあり、その代わりに増えているのがミニバンです。

 軽自動車は、新車では絶対額が安いため、中古車になったときの割安感はそれほどでもありません。そして、中古車市場では、あと数十万円出せば人気のミニバンも十分選択肢に入ることも多いわけですから、「中古車なら軽よりミニバンのほうが得だよね」と感じるユーザーが増えているのではないでしょうか。

 この傾向は今後も続くと見ています。かつては「パワー不足」と言われた軽自動車は性能が向上しており、安全装備なども充実し、ほとんどの普通車が搭載している機能を有しています。ただし、性能が向上すると同時に新車時の価格も上がるため、今後は税制以外に軽自動車を購入するメリットがどんどん薄れていくと考えています。

――ミニバンシフトの影響なのか、中古車の平均購入価格は上がっていますね。

西村 18年は131.3万円で、17年の120万円から10万円ほどアップしています。これは、みんなが少しずつ高い中古車を購入しているのではなく、高価格帯の200万〜300万円の中古車を購入する層が増えているため、平均購入価格が押し上げられた結果です。たとえば、新車購入層が中古車購入にシフトし、そのようなユーザーが高価格帯のミニバンなどを購入するという傾向が、要因として考えられます。

――カーセンサーでは、「もうすぐ予算130万円圏内に来そうな中古ハイブリッド車3選」も紹介されていましたね。

西村 以下の3台です。

1.トヨタ「シエンタ(現行型)」

2.ホンダ「ヴェゼル」

3.日産「ノートe-POWER NISMO(現行型)」

 最近のユーザーは、世代や年式が新しい中古車を買い求める傾向があります。そこで、直近5年ほどで発売され、性能面もコストパフォーマンスも良いモデルを3つ選びました。中古車の流通台数が増えてきており、あと1〜2年で次世代モデルが発売されるクルマでもあります。

 新車でハイブリッド車を購入し、燃費で元を取ろうとすると大変な距離を走らなければなりません。一方、中古車の場合は純粋なエンジン車とハイブリッド車の価格差が小さくなることが多いので、運転する機会の多いユーザーは日々の給油にかける時間を減らせるなどの小さい理由でもハイブリッド車を選択することができます。実際、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)など、電動化されたクルマの供給が増えていることも後押ししています。

――昨年10月からの消費税増税の影響はありましたか。

西村 10月の初旬、全体のお問い合わせの勢いは鈍りましたが、それが消費税増税の影響なのかはわかりません。当時はラグビーワールドカップが盛り上がり、大型台風も襲来したため、クルマを買うタイミングではないと判断された可能性があります。大きなイベントがあるときはクルマの買い控えが発生することもあるのです。販売店に話をうかがうと、価格を2%下げて税込みの価格は据え置きにする措置を取ったところも少なくなかったようです。現状では、中古車市場への消費税増税の影響はそれほど大きくなかったと受け止めています。

(構成=長井雄一朗/ライター)