シリコンバレーの光と影、アップルの「ブラック社屋」で働く従業員

シリコンバレーの光と影、アップルの「ブラック社屋」で働く従業員

(ブルームバーグ): カリフォルニア州クパティーノ。ドーナツ型の先鋭的な設計で知られるアップル本部社屋は、4階建てのカフェや広大なフィットネスセンターを備え、社員を大切にする社風の象徴だ。一方、ここから約10キロメートル離れたサニーベールのハマーウッド・アベニューでは、同じアップルでも契約社員が働く無味乾燥な社屋が別の社風を象徴している。

  アップル・マップ事業の契約社員が働くハマーウッド社屋は、アップル内で「ブラック・サイト(社屋)」と呼ばれていると、複数の従業員が明らかにした。元社員らによれば、自動販売機は補充されていないのが日常で、男子トイレの入り口には列ができる。

  ほとんどが1年から1年3カ月の契約雇用で、契約終了前に辞める従業員は少なくない。アップル・マップ事業の契約職員を雇用するエイペックス・システムズでは、雇用の安定はない。「いつでも解雇できる職だということは極めて明白だった」と語る元従業員は、インタビューに応じた他の社員と同様、エイペックスと秘密保持契約を結んだことを理由に匿名を条件に話した。「契約社員の間に漂う不安の空気に私は感染し、それを拡散したのだろう」と述べた。   彼らを管理するのはアップルではなくて、エイペックスという仲介企業だ。アップルは「威厳と尊敬」のある社員待遇を契約企業に義務づけていると主張する。ブルームバーグ・ニュースが問い合わせた後、アップルはハマーウッド社屋を対象に抜き打ち検査を実施し、他のアップル社屋と整合した職場環境だとの判断に至ったと述べた。エイペックスの最高サービス責任者で法律顧問のバディ・オモハンドロ氏は電子メールで、同社は最良な職場体験を可能にするべく努力していると述べた。

  エイペックス入社時に同社からの示唆を受けて、いつかアップルの正社員になれるかもしれないとの希望を持つようになったが、結局はそのチャンスは小さかったと述べる元社員もいる。アップルの事業に詳しい関係者によれば、ここ数カ月はアップルの業績が向かい風を受けており、契約社員が正社員に登用される可能性は一段と低下した。

  せめて履歴書やリンクトインのプロフィルに「アップル」の名前を記入したいという従業員もいるが、この希望もかなわないようだ。当初は「アップルがエイペックス・システムズを通じて雇用」と記入することを許されていたが、昨年夏からは「アップル」という言葉を削除しなくてはならなくなったと、元社員2人が明らかにした。

 原題:Apple’s ‘Black Site’ Gives Workers Few Perks and Little Security(抜粋)

 

©2019 Bloomberg L.P.


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