TBM、数か月以内に数十億円規模の資金調達−21年までにIPO

TBM、数か月以内に数十億円規模の資金調達−21年までにIPO

(ブルームバーグ): 石灰石由来の原料でプラスチックや紙の代替素材の製造を手掛けるスタートアップのTBMは、海外展開を加速するため、今後数か月以内に第三者割当増資で数十億円規模の資金を調達することを計画している。このほか、2021年までに新規株式公開(IPO)することも予定している。

  山崎敦義社長がインタビューで明らかにした。同社が開発した「ライメックス」は石灰石を原料にプラスチックや紙に代替する素材を製造することが可能。製造に水や木材が不要で環境負荷が低いため海外企業からの関心も高く、これまでに500を超える問い合わせが海外からあったという。

  現在は伊藤忠商事などこれまでに出資を引き受けてもらった企業から人材を借りて海外展開を進めている。山崎氏は「海外を担当する人間が3人しかおらず全然さばききれていない」と明かす。新たな資金調達で「海外で事業を展開していくためのチームづくりのための資金」を確保する。

  同社によると、普通紙1トンを生産する場合には水を約85トン、木を約20本使うが、ライメックスを原料にした場合は石灰石0.6−0.8トン、ポリオレフィン樹脂0.2−0.4トンで紙に代替する製品の製造が可能。プラスチックの代替製品も石油由来樹脂の使用量を大きく削減して生産することができる。淡水の入手が難しいサウジアラビアなどが関心を寄せている。

  現在、実証工場として年産6000トン規模の白石蔵王工場(宮城県白石市)を操業。量産工場として20年に操業予定の多賀城工場(宮城県多賀城市)を建設中で、山崎氏によると同工場が稼働することで製品のコスト競争力も増すという。同氏は「自前での生産拠点の保有はこれで終わり」と明かした。海外の提携先企業とライメックスの生産委託に向けた協議を進めており、年内にも海外生産を開始する予定だ。

売上高は5倍に

  具体的な売上高の規模は非公開としたうえで、国内外での量産開始により来期(20年12月期)の売上高は今期比で約5倍に増える見通し。21年のIPOは投資家への流動性提供や企業の知名度向上のほか、資金調達の柔軟性を高めることが狙いだと話した。

  11年に創業したTBMの累計資金調達額は100億円を超える。19年3月にSBIグループや三洋化成工業、JR東日本傘下のベンチャーキャピタルを引受先とする第三者割当増資で15億5000万円を調達した。18年11月には伊藤忠や米ゴールドマン・サックス・グループ、大日本印刷や凸版印刷などへの第三者割当増資で31億2000万円を集めた。

  中学を卒業後大工になり、その後中古車販売業など複数の事業を立ち上げた山崎氏が「尊敬してやまない」と語るのはソフトバンクグループの孫正義社長。「挑戦し続ける豪快さ」に憧れている。株式投資にはまったく興味はないと話す山崎氏だが、「ソフトバンクだけは、株主総会で孫さんの話を聞くためだけに1単元だけ保有している」。

  世界各国が持続可能な社会づくりを目指していることから、自社の技術を活用し、孫氏の掲げるデジタル情報革命になぞらえた「サステナビリティー革命」を起こす必要があると考えているという。

(第4、5段落に情報を追加して記事を更新します.)

©2019 Bloomberg L.P.


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