アップル・ペイでやけどした米銀、フェイスブックの仮想通貨を静観か

アップル・ペイでやけどした米銀、フェイスブックの仮想通貨を静観か

(ブルームバーグ): 米国の銀行は当面、フェイスブックが推進する新たな仮想通貨「リブラ」を喜んで敬遠し続けるかもしれない。

  リブラの管理団体「リブラ・アソシエーション」は、同団体への加盟を求めて世界の金融機関と交渉中だ。ただ「アップル・ペイ」などのデジタル・ウォレットに対する消費者の鈍い反応やデジタル通貨への規制上の厳しい審査を受け、銀行はほとんど距離を置いたままでいる。

  ピュブリシス・サピエントで国際金融サービスコンサルティング業務を率いるデービッド・ドノバン氏は電話インタビューで、「フェイスブックがこのプラットフォームで大規模な採用につなげることができれば、銀行もその時には参画したがるだろう」と指摘した。

  フェイスブックが先週、リブラを発表した際、決済ネットワークのビザやマスターカードを含む他の二十数社の参加を明らかにしたが、銀行は含まれていなかった。

  フェイスブックと同社の24億人のアクティブユーザーは、米銀大手にとって無視しにくい存在であり、シティグループのマイケル・コーバット最高経営責任者(CEO)は、要請を受ければリブラへの参加を検討すると述べている。ただ、大手テクノロジー企業が決済の在り方に大変革を約束したのは今回が初めてではない。

  アップルは2014年にアップル・ペイを鳴り物入りで導入した。銀行は同サービスに多額の宣伝費をかけ、顧客の利用に応じたカード特典を作った。

  だが導入から5年を経過したものの、アップル・ペイは普及に苦戦している。ウォルマートなど大手小売業者は同技術の採用に後ろ向きだ。18年に消費者によるデジタル・ウォレットの利用は約3兆ドルに上ったが、そうした支出の約3分の2は、アリペイなどのアプリが商取引を支配する中国で行われていたことが、ジュニパー・リサーチのリポートに記されている。

©2019 Bloomberg L.P.


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