(ブルームバーグ): 日本銀行は、政府が先週決定した大型の経済対策が先行きの国内需要押し上げに相応に寄与すると見込んでいる。1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に反映させる方針で、見通し期間の2021年度にかけて実質国内総生産(GDP)見通しの上振れ要因になる可能性が大きい。複数の関係者が明らかにした。

  関係者によれば、こうした見通しを踏まえ、米中貿易摩擦などを巡る金融市場の混乱や日銀短観など経済指標の大幅な落ち込みがなければ、18、19日に開く金融政策決定会合で日銀は現行金融緩和政策の継続を決める公算が大きい。

  政府による大型の経済対策が需要拡大を通じ、プラスで推移する需給ギャップの下支えになることが見込まれ、財政措置と日銀による金融緩和策が相乗的な効果によって2%の物価安定目標に向けたモメンタムを支援することが期待されている。

  安倍政権が前回経済対策を打ち出した16年に日銀は17年度の実質GDP見通しを0.1%増から1.3%増に上方修正した。今回の対策は、来年の東京五輪後も見据えた対応が打ち出されていることに加え、人手不足を背景に公共投資の進ちょくも緩やかになることが想定され、日銀内では、息長く国内需要を押し上げていくとの見方が聞かれる。

相応のプラスインパクト

  政府は5日、台風19号など相次ぐ自然災害を受けた復旧・復興や景気下振れリスクに対応するため、新たな経済対策を閣議で決定した。民間支出を含む事業規模は26.0兆円程度、財政支出は13.2兆円となり、政府は実質GDPを1.4%程度押し上げる効果があると試算している。

  日銀内でも政府の経済対策について、大規模な財政支出を伴うこともあり、相応のプラスのインパクトをもたらすとの評価が大勢。具体的な分析や効果は、今後の予算編成などをにらみながら、1月会合で取りまとめる展望リポートに反映させる見通しという。

  足元の日本経済は、10月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減や相次ぐ台風の上陸など自然災害を受けて個人消費や生産が落ち込んでいるが、IT関連財の在庫調整に底打ち感が出るなど最大の懸念材料である世界経済には明るい兆しも出ている。

  反動減に自然災害も加わって景気の基調が見えづらくなっているものの、日銀内では、これまでのところ全体として前回10月の展望リポートで示した中心シナリオにおおむね沿った動きとの見方が多い。

ポリシーミックス

  黒田東彦総裁は11月29日の衆院財務金融委員会で、財政政策と金融政策のポリシーミックスについて「金融・財政政策を組み合わせると、相乗効果によって景気刺激効果がより強力になる」と答弁している。

  今月の決定会合では、足元まで世界経済や金融市場の動向に大きな変化が見られない中で、世界経済の下振れリスクが大きい状況に変化はなく、15日に予定されている米国による対中追加関税の引き上げや、13日の12月調査の日銀短観などの材料を控え、警戒姿勢は継続する。

(第5段落以降に情報などを追加して更新しました)

©2019 Bloomberg L.P.