(ブルームバーグ): 米携帯電話事業者スプリントの債券保有者は、同業のTモバイルUSによる買収が承認されると長らく期待してきたが、買収完了の見通しに不安が増している様子が、少なくとも一つの指標からうかがえる。

  クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、スプリント債のデフォルト(債務不履行)に備える5年間の保証コストが急上昇。ICEデータ・サービシズによると、同債のCDSスプレッドは9月以降ほぼ倍となり、333ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)前後に達した。

  Tモバイルのスプリント買収計画は米司法省が昨年7月に一部資産の売却を条件に承認したが、競争を阻害し価格上昇やサービスの質低下を招くと主張する一部の州・特別区が合併差し止めを求める訴訟を起こしており、15日に最終弁論が予定される。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、スティーブン・フリン氏はリポートで、スプリント側の勝利は債券保有者にとって朗報となり、社債のリスクプレミアムが最大200bp縮小する可能性があると分析する。

  しかし、同氏が14日の別のリポートで指摘したようにTモバイルとの合併が白紙に戻るようなことがあれば、スプリントは格下げに直面し、現時点で同社を傘下に置くソフトバンクグループから流動性の注入が必要になる恐れもある。一部の投資家にとって、スプリント債はなおリスクが高過ぎて買えないと映る。

  ダイヤモンド・ヒル・キャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョン・マクレーン氏は「リスクの対価が得られるだろうか。スプリントについては絶対ない」と主張した。

  スプリントの広報担当者は、コメントを控えている。

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