(ブルームバーグ): 債券投資家らは米利上げが再び10年間にわたり行われない可能性を想定し始めつつある。

  そんなに先のことを予測するのは無駄に見えるかもしれない。だが、労働市場が50年ぶりの力強さを示す中で2019年に3回利下げが行われたにもかかわらず、米連邦準備制度はインフレ率を2%以上に持続的に押し上げることができず、こうした予測は重みを増していると投資家らは指摘する。

  前回、米国でほぼ10年間にわたって利上げが実施されなかったのは06−15年で、同期間に米経済は金融危機とリセッション(景気後退)を経験。こうした状況を背景に債券相場は上昇基調が続き、昨年の債券市場の年間パフォーマンスは11年以来の好成績を記録した。

  その結果、米国債利回りは現在、過去最低水準から約0.5ポイントの水準にあり、金融当局が重視する物価統計を考慮した実質ベースではゼロ水準へと近づきつつある。

  フィラデルフィアに拠点を置くブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのジャック・マッキンタイア氏は「米国では利回りはより長きにわたり低い状況が続き、金融当局にとって利上げのハードルは非常に高い。インフレ傾向が強まったとしても、日本や欧州と同じ道をたどるのを避けたいとして対応は遅くなるだろう」と分析した。

  同氏は、米国および世界経済は全世界的な金融・財政刺激策により今後3年間は不況を回避すると予想しながらも、米国のインフレ率が継続的に2%を上回って推移したり、28年までに利上げが行われたりするには十分でないと指摘した。

  ただ、こうした見方は大勢とは言い難い。アマースト・ピアポント・セキュリティーズやゴールドマン・サックス・グループは今後2年で利上げがあるとみている。ブルームバーグ調査の予想中央値は据え置きだ。

  トレーダーらは金融当局の次の動きは利下げだとし、年内の可能性を見込む。金融当局者からは据え置きの公算が大きいことが示唆されている。

  ウエスタン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジュリアン・ショルニック氏は、昨年の利下げ分が近々巻き戻される可能性は低いと見るものの、その予想は28年まで長きにわたらないと語った。

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