(ブルームバーグ): 日本銀行の次の政策変更は「金融引き締め」と予想するエコノミストが一段と増えている。米中貿易摩擦の緩和などを受けて世界経済の先行きに明るさが見られる中で、株高・円安基調など金融市場の環境も改善しているためだ。大半のエコノミストは年内の金融政策の据え置きを見込んでいる。

  エコノミスト42人を対象に9−15日に実施した調査によると、次の政策変更は金融引き締めとの回答が69%を占めた。前回の昨年12月会合前の調査では、次は金融引き締めとの回答が58%となり、「追加緩和」(42%)を半年ぶりに上回っていた。今回は引き締め予想がさらに増加する一方、追加緩和は31%に減少した。

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  背景にあるのは「米中貿易交渉初期合意の見通しやグローバルPMIの改善が続くなど、海外要因による下方リスクが緩んでいる」(IHSマークイットの田口はるみ主席エコノミスト)との見方だ。米国によるイラン革命防衛隊司令官の殺害をきっかけに年初に緊迫化した中東情勢も、本格的な軍事衝突が回避される方向で「最悪の展開を免れており、金融政策への影響は想定しにくい」(シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト)という。

  国内に目を転じても、政府が事業規模26兆円・財政支出13.2兆円の大型の経済対策を決定し、「今後、政府の経済対策による景気の下支え効果も期待されることから、少なくとも現在は金融政策の変更が必要な局面ではない」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)と受け止められている。

  国内景気の下振れリスクが低下しつつある中で、「今後、日本の指標でも持ち直しが確認されていけば、早ければ春ごろにも緩和バイアスが削除される可能性がある」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)との見方も出始めた。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは「政策変更と位置付けられるかは別にして正常化方向の動きが焦点になる」とし、イールドカーブコントロール政策の下で日銀による国債買い入れが減少を続けており、「国債買い入れめどやマネタリーベース増加の目標を見直すのかが焦点」とみる。

  ただ、年内に政策変更が行われるとの回答は14%にとどまる。「日米欧の金融政策は大きなヤマ場を昨年通過した。年を通じて日米欧いずれも政策金利は据え置かれるだろう」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)など大半は年内不変と見込む。今月20、21日の金融政策決定会合は全員が現状維持を予想している。

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