(ブルームバーグ): 米中貿易協議の第1段階合意で米国からの購入を増やすと中国が約束した産品のリストには、米国で不足しているレアアース(希土類)も含まれている。

  米中貿易戦争が激しさを増した昨年、米商務省は防衛システムなどに使われるスカンジウムやイットリウムなどのレアアースを確保すると表明。15日に署名された86ページに及ぶ合意の製品リストにこの2種類のレアアースが入った。

  米地質調査所(USGS)のウェブサイトによれば、米国での2018年のスカンジウム採掘は皆無。米国内での少量の生産は全て他の鉱物採掘に伴うものだとしている。

  米国から中国にレアアースが出荷されるかどうかは疑わしい。中国による今後2年間で2000億ドル(約22兆円)相当の追加購入という条件を満たすためにレアアースが追加された可能性があるとRWプレスプリッチのアナリスト、アンドルー・ギンズバーグ氏はみている。 

  同氏は電子メールで、中国は「特定産品の少量輸入であっても、できるだけ多くの項目を加えようと望み、本当に大きなコミットメントをした」と指摘。「そうしなければ、公約総額の達成に向け信用を得られなかったかもしれない」と論じた。製品リストに加えられた鉄と鋼鉄についても同じことが言えるとの見方も示した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アンドルー・コスグローブ氏は電話インタビューで、今回の合意後に鉄鋼業界の需要が変化する可能性はないと予想。「確たる数値が一切ない」ため、製鉄会社の「設備投資サイクルを変えるとは思わない」と述べた。

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