(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)当局者らはラガルド総裁の下での最初の政策委員会で、金融政策姿勢を据え置くことで同意したものの、現行の金融緩和策の有効性に「警戒」を呼び掛けた。

  ECBが16日公表した昨年12月11、12両日の政策委の議事要旨によると、メンバーの何人かは「現在の金融政策措置の副作用の可能性に注意が必要だと強調した。今後の厳密な監視に値すると指摘した」という。一方で、金融政策「措置がユーロ圏経済に効果を及ぼす時間を与える必要がある」との認識も示した。

  ECBは12月に金融政策を据え置き、注目は予定される政策検証についてのラガルド総裁の計画に集まった。当局者が意図する検証の焦点の1つはインフレ目標だが、詳細は今月後半に検証作業が正式に開始される際に明らかにされる。

  12月11日の会合は、メンバー全員が発言できるよう通常より早い時間に始まったと、複数の当局者がその後に述べていた。11月1日に就任したラガルド総裁は、利下げと債券購入拡大を含む金融緩和パッケージを採用した9月の決定を巡る当局者らの意見の溝を埋めようと努めている。

  議事要旨によれば、12月の会合ではマイナス金利の影響に対して一定の懸念が表明された。

  「マクロプルデンシャル政策がリスクと副作用に対する最初の防衛線であることが確認された。特定の問題に合うよう設計が可能だからだ」とし、同時に「金融政策の実施で望ましくない副作用を減らすよう調整もできる」と指摘されたという。

  ユーロ圏経済について政策委員会メンバーらは、「成長減速に歯止めがかかりつつある初期の兆候が幾らかある」と論じ、製造業の低迷が内需に広範な悪影響を及ぼす前に底入れすることへの自信を示した。

  世界の地政学的情勢は短期的に「不確実性低下を導く」ものではないが、最近の経済指標はセンチメント改善を示唆していると結論づけた。物価動向に関しては、「インフレの予想外の弱さの背後にある理由をよりよく理解するために、さらなる努力が払われるべきだ」としながらも、ドイツのパッケージ旅行価格などの影響がなければ、「基調的インフレには堅固な上昇トレンドが見られる」と指摘した。

  政策委員会メンバーはまた、経済予測を上方修正する可能性があると示唆。 「2019年12月のスタッフ予測に織り込まれた成長とインフレに対するECB政策措置の効果は、さまざまなモデルによる複数の推計と比較して、かなり控えめであると見なされた」という。

  気候関連を巡る政策についても議論し、その経済的な影響をよりよく理解する必要があるとの点で一致した。

  超過準備のマイナス金利の階層化導入には満足を表明。また、ECBの条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO3)に対する需要が比較的弱いことについては、過度に問題視すべきではないとの考えを示した。

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