(ブルームバーグ): 先週の新興国市場では、株と通貨が7週続伸。共に1年7カ月ぶりの高値に達した。米国と中国が貿易交渉の第1段階合意に署名したことを好感した。リスク選好ムードが強まり、インドネシア・ルピアや中国人民元、マレーシア・リンギットなどアジア通貨が新興国通貨をけん引した。

  1月19日までの1週間の主なニュースは以下の通り。

主なニュース:

米中両国は15日、包括的な貿易協定の第1段階と双方が位置付ける合意に署名した。ただ対中経済関係の仕切り直しを図るトランプ政権の取り組みがこれ以上前進するかについては疑問視する見方が根強い中国の習近平国家主席は、15日にホワイトハウスで行われた米中の第1段階貿易合意の署名式で読み上げられた書簡で、「相互の信頼と協力を強める」ための措置を講じるようトランプ大統領に呼び掛けたトランプ米政権は、中国の為替操作国認定を解除した。同国が人民元切り下げを行わないという「実行可能なコミットメント」を行ったほか、為替のデータ公表に同意したためだと説明した中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムが引き続き監視対象国に指定された米商務省は、中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)向けのハイテク製品輸出規制を強化し、米国製部品の合計金額が全体の10%を上回る外国製品について、ファーウェイ向けに限り輸出許可を義務付けるか、禁止する規則の公布を準備している。ロイター通信が伝えたトランプ大統領はジュディ・シェルトン、クリストファー・ウォラー両氏を連邦準備制度理事会(FRB)の理事候補として指名する計画だ。ホワイトハウスが16日発表した中国経済の昨年10−12月(第4四半期)は6%成長と、約30年ぶりの低水準だった7−9月(第3四半期)と同じだった。固定資産投資の拡大ペースが強まり、今後持ち直しが根付いていく可能性があることを示唆している。2019年通年の固定資産投資は前年比5.4%増加中国の輸出総額は世界的な需要の高まりを受け2019年に増加した。ただ米中貿易戦争のあおりで中国の対米貿易は減ったロシアのプーチン大統領は15日、首相交代を電撃発表し、抜本的な憲法改正を提唱した。大統領としての任期を終える2024年末以降もプーチン氏が権力を維持しようと動いているとの臆測が高まっている

アジア:

中国人民銀行(中央銀行)は15日、中期貸出制度(MLF)とリバースレポを通じ金融システムに計4000億元(約6兆3800億円)を供給した。1年物MLFで3000億元、14日物リバースレポで1000億元をそれぞれ提供し、春節(旧正月)連休を控えた流動性逼迫(ひっぱく)に対応する。人民銀の発表文によると、1年物MLF金利は3.25%、14日物リバースレポ金利は2.65%でいずれも変更はなかったフィリピンの首都マニラ近郊にあるタール火山が噴火し、大勢が避難している。13日の金融市場は取引停止、マニラ空港は閉鎖を余儀なくされた

EMEA:

イランのロウハニ大統領は15日、米軍の中東駐留がもたらす不安定な情勢が続けば、域内にいる欧州の兵士も今後、さらに深刻な危険にさらされる恐れがあると警告した南アフリカ準備銀行(中銀)は大方の予想に反し政策金利を4年ぶり低水準に引き下げた。インフレ率と経済成長率の予想も下方修正した。金融政策委員会はレポ金利を6.5%から6.25%へ引き下げることを全会一致で決定した

中南米:

アルゼンチンの昨年の物価上昇率は1991年以来の大きさとなった。91年当時はハイパーインフレからの回復途上にあった11月のブラジル小売売上高はアナリスト予想の半分の伸びにとどまった。景気回復の楽観論に冷や水を浴びせる格好となった

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